第三十二話「魅惑のハーレムフラグ」が生まれてTT
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第三十二話「魅惑のハーレムフラグ」が生まれてTT
私たちは息を呑んでいた。
フェイスチェンジのタリスマンで顔を変えられていた少女が、ちょっと緊張感のないタバサの顔に変わったから。
彼女の名前はジョゼット。
タバサすら知らなかった双子の妹。
僕が知ったのは、タバサの母親の治療のとき。
記憶の整理を行っていたからなのです。
「・・・・うわぁ、私ってこんな顔していたんですねぇ。」
水鏡を覗き込んだジョゼットは、両手を組んで何かフワフワしている。
どうやら姫様系の妄想少女らしい。
「・・・というわけで、ジョゼットには幸せになる権利があると思うのですよ。」
「うぇぇぇ、「物語」のフレデリカ様から声を掛けていただいただけでも幸せなのに、このうえ、幸せに?嫁、嫁ですかぁ!?」
スパーンとタバサのツッコミに、笑顔でそれを迎えたジョゼット。
「流石双子、いいツッコミです!」
だめだわ、この子。
かなりダメダメだと理解したわ。
「で、ジョゼット。あんたにゃ、人生を決める権利があるし、望めばあたしが後押しできる。あんたはどう生きたい?」
立ち会ったイザベラ様は苦笑いでジョゼットを迎えることを表明した。
「第一希望は、フレデリカ様の従者なんて最高なんですけど・・・お姉さま方に許してもらえそうにないので、考える時間をいただけませんか?」
実は結構考えてるわね。
御花畑に見習わせたいわ。
「そういいつつ、猶予期間を学院で過ごして物語三昧、じゃないだろうねぇ?」
「・・・・びくぅ!」
こりゃ、いい性格してるわ、この子。
結構面白いし。
「フレデリカ、ジョゼットはあたしが預かる。良いね?」
「勿論なのですよ、王女。いい子にしてたら新作を送るのですよ?」
びしっと敬礼のジョゼットは笑顔も輝かしく答えた。
「プライベートジョゼット、職務に精励するであります」
うっわー、ここまで染まっていたら周囲から浮いてたんでしょうねぇ?
「そうなんですよ、そうなんですよ! みんな表面しか物語を追わないから全然話が合わないんです!」
私の手をとったジョゼットは、半分泣いていた。
「流石「初めての物語の人」、解ってらっしゃいますぅ!」
ま、タバサもその系統だし、ね。
「お姉さまもそうなんですか!? うれしい!!」
何の蟠りもなくタバサを抱きしめるジョゼット。
なんだかこういう光景も良いかもしれないと思う私だった。
学園祭と題されたオープンキャンパスに様々な人が集まってきたのです。
各国の王族王眷族、貴族従者平民、もう様々。
この学園祭の中では最低限の地位しか表明できないことになっているので、かなり楽しそうにしている貴人が多いのです。
逆に言うと、誰が来ているかわかりにくい、これが主眼です。
つまり、どんな「ヒト」がいてもOKなのです。
・・・・そんなわけで
「モードの血筋の姫様なのですーー」
「「「えええええええええ!」」」
読者招待客ので迎えに来たといういいわけで、ルイズ・タバサ・キュルケで魅惑の妖精亭にきたのですが、正面のバスト革命を相手に驚く三人。
「あ、あ、あ、あの、フレデリカ様、そのことはどこから?」
「物語に知らぬ事などないのですよ、ニパー」
「す、すごいです!!」
モード公のお姫様であることや今まで隠遁していたことや、その隠遁先にむりやり物語を届けていたことなんかを話すと、三人ともにため息なのです。
「フレデリカの規格外には慣れてるつもりだけど、今回はとびきりね」
「フレデリカって、本当に何者なのかしら?」
「・・・送っていた本の目録を教えて」
ひとり空気が読めない娘が混ざっているのがいい感じなのです。
「ふわぁ、これがあの「始祖みて」のモデルなんですねぇ。」
「いいえ、モデルはいないけど、結構そういわれてるみたいよ?」
「女子寮の中にもバラの館って呼ばれている部屋もあるわ。後で一緒に行きましょ?」
「「物語」読みには桃源郷。」
「・・・とりあえず、僕の部屋なのですよ?」
最初の衝撃はどこへやら。
物語好きという共通項でくくられた女子は、キャイキャイ盛り上がっていた。
「フレデリカさま~、本当に出店を出していいのかしら~?」
くねくねフレディー風のミレディーに僕は笑顔を向けるのです。
「当たり前なのですよ? 我らが猫の騎士団の企画の一部としてですが、是非とも参加してほしいのです。そして、休憩時間には自由に見学してほしいのです」
僕の言葉を聞いたお姉さん達は凄い勢いで喜んでくれたのです。
実にいい感じなのですよ。ニパー。
「で、フレデリカ。つまり私たちにこの子の案内係を任せたいのね?」
「ルイズ、最近知性が光っているのです。どうしたのですか?」
「・・・あんたや姫様に脳筋発言を広められて、流石に考えるようにあったわよ。」
良いことなのです、良いことなのです。
これでオエレオノール姉様のところへ縁談が集中すれば、実にみんな幸せになれるのです。
「あ、そういえば、お聞きしたいことがありました」
ぽふと両手をあわせるティファニア。
「フレデリカ様、お聞きしたいことが・・・・。」
・・・胸の間から小型装丁版の物語が出てきたのです。
あまりのことに息をのむ周囲。
ミレディの娘が真似できないかを、寄せてはあげて繰り返しているのです。
む、キュルケ、余裕ですね? あ、やったことがある余裕ですね! そんな二人を親の敵のようににらむルイズとタバサ。
一気に空気をかき乱すこの能力、恐ろしいのです!
「この、主人公とヒロイン、何で罵りあっているのに楽しそうなんですか?」
こんなに仲がいいなら、優しくささやきあえばいいのに、とシュンとなるティファニアに周囲騒然です。
「も、燃える」「萌えさかる!!」「ぎゃーーー!ほれたーーー!」とか女子が叫ぶせりふではないのですよ?
「んー、ティファニアには理解できない感情でも、誰かには理解できる感情があるのです。そんないろんなヒトの感情をつづってまとめたのが物語り。今理解できなくてもいつか理解できる日が来るかもなのですよ?」
んーっ、と眉をしかめたティファニアにもう一言乗せる。
「ティファニアが、いつか一緒にいたい男の子が現れたら分かるかも、しれないのですよ?」
真っ赤になってワヤワヤするティファニアに、みんな癒されたのですw
「な、なに、このかわいい生物は! ふ、ふ、フレデリカ紹介しなさい!!」
「あ、噂のツンドラヒロイン登場なのです」
魅惑の妖精亭が沸いたのです。
どうやら給仕のお姉さん達も読んでいたみたいです。
いやー、うれしいですねぇ。
「がーーーー!!! その物語のせいで、各国の変態という名の貴族から、変態性欲の詰まった手紙が集中して仕事どころじゃないわよ!!」
「ええ?」
「何でそこで意外そうな心外そうな顔をしてるのよ!?」
「だって、エレオノール姉様をゾッコンラブになるような特殊性癖な方を集中的に集めることに成功したんですよ? 何で責められているのですか?」
おお、と拍手喝采。
僕も丁重に礼の姿勢をとるのです。
「なんでよ! そこまで私を思ってくれてるなら、フレデリカがもらってよ!!」
「ねえさま! フレデリカは私の嫁です!!」
きたのです、鉄板来たのです。
「くぅ、確かに年の頃ならあっているでしょうが、あなたとフレデリカでは色々とつりあわなくてよ!?」
「大丈夫です、お姉さま。私で足りない分は、ちい姉様で補うのです、主に胸!!」
ぐはぁ、と片膝をつくエレオノール姉様。
「・・・王宮の噂は本当のようね。次女と三女を抱き合わせて嫁がせようとしているという、その恐ろしい計画」
「ふふふ、ちい姉様はすでに王宮をとりまとめているわ。私も学院を経由して王宮から離れた貴族にも根回しを完了してる。あとはタバサまでついてこの値段、ハウマッチ!って状況よ!!」
は、初めて聞いたのです。
というか、タバサもついてくるのですか?
「・・・ルイズ、GJ」
かなり満足そうですね、タバサ。
「ふ、ふ、ふ・・・・・」
「「「「ふ?」」」」
「ふえーーーーーーーん!」
滂沱の涙を流すエレノオール姉様。
「なんで、なんでよ、何で私だけ仲間外れなの? 私たち仲良し姉妹だったじゃない~~~」
呆然の僕たち。
「・・・そりゃ、厳しくもしたし、ひどいことだってあったわ。でも、私たち姉妹は支え会ってきたじゃないのぉ・・・・。」
思わず、本当に思わずの行動なのだろう。
ティファニアはエレノオール姉様を抱きしめた。
そしてルイズも同じように抱きしめた。
「・・・ねぇ、私も一緒じゃだめ?」
「・・・エレノオール姉様には、ただ一人のヒトが必要だって思いこんでいたんです、私もちい姉様も。」
「・・・ルイズやカトレアだったらいいのよ?」
「・・・たぶんタバサだけじゃすまないと思いますよ?」
「それでも、それでも私は・・・。」
きゅっと二人を抱きしめたツンドラ様を、給仕さんたちは御馳走をみるように涎を垂らしているのです。
わかります、ツンドラがデレデレ、それもリアル。
エレオノールならぬデレオノール。
わかります、ええ、わかるのです。
でも、それが僕の双肩にかかっているかのような視線でみないでほしいのです。
流石に三姉妹を娶るなんて恐ろしいのですよ・・・。
「フレデリカ、いずれオトコを見せるときがくる」
重々しいせりふで締めくくってくれたタバサに感謝なのです。
えー、ここに一つの分岐が生まれました。
リカちゃんが諦めれば三姉妹丼コース、諦めなければ英雄召喚コースです。
どんな英雄かは未公開ですが、まぁ、色々ですw
※今回の元ネタ
プライベートジョゼット ・・・ プライベートライアン(旧軍の三等兵)(自衛隊であんな事件があればどうなる? と関係者に聞いたら、曹より大切な下っ端だぜ? 助けに行くって、とのことw)
フレディー風 ・・・ フレディー=マーキュリー(Freddie Mercury ロックミュージシャン)
(3,978文字)