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第十五話「ぬこ」が生まれて・・・w

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調子にのりましたっ!



第十五話「ぬこ」が生まれて・・・w

 「物語」のフレデリカからの書状を読んで、自分がいかに舞い上がっていたかを思い知った。
 これだけの外交カードを得られるのに、みすみすお忍びだなんてバカな真似をしなくてよかったと本気で思った。
 さらに、

「これで貴人席チケットを「記念」にとっておけるのですよ」

 なんて追記が書いてある。
 さすがに苦笑いだよ、「物語」。
 あたしや侍女たちの葛藤をものの見事に読み切ってやがる。
 悔しいけど何枚も上だね。

「ききな。あんた達も大好きな「物語」からの招待状は、むざむざ使わずに済みそうだし、あんた等全員引き連れて「あそこ」にいけるよ、喜びな!」
「「「「「きゃーーーーー!!!」」」」」

 まったく、各国の間者だって混ざってるんだろうけど、この瞬間だけは誰も足をひっぱりゃしない、そんな一体感がある。
 たまらないね、「物語」。
 あたしも学院に行きたいよ、ほんとに。













 フレデリカ会長からの発表は、それは驚愕するものだった。
 なにしろ、学院内に「騎士団」を作るというのだから。
 もちろん、正式なものではないけれど。
 しかし、

子猫キティ騎士団は無かろう!」
「かわいいのですよ?」
「せめて幻獣の名前を付けようじゃないか」

 私の言葉を全く意に介さないフレデリカ会長だったが、ギーシュの提案をきいて首をひねる。

「じゃぁ、ケットシー」
「それ、猫妖精だよな、あの「ベニシアのゴンドラ少女」の!!」
「むぅ、じゃぁ「ペロ」。」
「それは「長靴を履いた猫」だったよね、そうだよね!?」
「何でそこまで猫がいいんだ!」

 その一言にニヤリと笑うフレデリカ。

「これをミンナに着せたいからなのです!!」

 あらわれた「それ」をみて、私とギーシュは固まった。
 きれいな騎士隊帽とマント、そして杖カバー。
 それぞれに「猫耳」「猫尻尾」「肉球ハンド」がついているのだ。

「「どんな羞恥プレイだ!!」」
「ぼくだけ「会長服」とかいうヒラヒラの制服を準備するのがいけないのです」

 たしかに! 先ほどの「ベニシアのゴンドラ娘」っぽい白を基調とした服と帽子をプレゼントしたところ、女子寮でも好評で、普段着でも着るように強く要望されていることの復讐だろう。
 くそぉ、騎士団には入りたいけど、猫は・・・つらい。

「一度は爆笑を受けますが、絶対、絶対、時間がたつと耳や尻尾をさわらせてほしいという婦女子に溢れるのですよ?」
「くっ、さすが「物語」のフレデリカ! 私たちの達の琴線を心得てやがる!」
「マリコルヌが聞けば、進んでこの格好になるだろう・・・。」
「デブ猫は人気、かもしれないのですよ?」






「のったーーー!!! その話のったーーーー!!!」






 現れたのは「かぜっぴき」。

「マリコルヌ、きさま、たかがモテたいだけのために、今のプライドを売るのか!?」

 原作のギーシュなら絶対に言わない台詞ですね。

「プライドごときでちやほやしてもらえるのならば、このプライドなど売り払うわい!」
「おまえの必死ながっつきが女子を遠ざけているのがなぜ解らん!?」

 アラン、それが解らないからマリコルヌなのですよ。

「モテたいでござる、モテたいでござる、女子の冷たい視線も、近づいただけで泣きそうになる顔も、ゴメンなのでござる・・・・!」

「・・・マリコルヌ。女子は色々なのです。集団生活をしていると、周りにあわせなければならないときがいっぱいなのです。だから、多くの人に避けられている男子に近づくことができないのです。」
「ふ、フレデリカ会長・・・。」

 目を潤ませるマリコルヌ。・・・きもいのです。

「でも、目先が変われば、タイミングさえ合えば、あなたに一歩近づくことができるのです」
「・・・・かいちょ・・・」

 ふっ、千里の道も一歩からなのです。

「だから、きみは、これを身につけるのです」

 きらきらした瞳ですべてを身につけたマリコルヌは胸を張った。

「僕は、新世界の「ぬこ」に、なる!!」

 その猛々しいまでの決意は、ちょっとだけ格好よかったです。
 それはさておき・・・・

「受け入れるですか? 受け入れないですか?」
「・・・結構この格好、いいかんじだよ?」
「くぅ、不覚にも男に似合うことをマリコルヌで実証されてしまった・・・。」
「くそっ、プライドさえない貴族だと? 新種め!」
「今受け入れれば、団の金庫は僕のポケットから出すのですよ?」
「「喜んで受け入れます」」

 ・・・君らも同類、なのです。











 なんなんだい、あの強烈なまでの同期した動きは!?

 トリステインからの招待という形で招かれたせいか、アンリエッタ姫と共に国賓歓迎のパレードを見ていたのだが、騎士団最後に現れた集団を見て目をむいた。
 騎士帽に猫耳がつき、マント中央には尻尾がゆらゆらしている。
 掲げられた杖の先には猫の手っぽいカバーがついていり、それでいてにこやかな笑み一つない、軍隊にだってこんなに統率された動きをする隊は無いって程の統率された部隊だった。
 その先頭に立つのは、真っ白な帽子とドレスのよう内服をまとった少女、いや、少女のような少年だった。

 彼が杖を振り号令をかけると、それにあわせた彼らが「サーイエッサーっ」と返答して動きをあわせる。
 その動きにブレはなく、その動きは切れがあった。
 まるで機械人形のような同期した動きに声を失っていた観客だったが、まるで劇場かのような歓声と拍手に包まれていった。

「どうですか、イザベラさま。」
「・・・正直に言うとね、あの格好で笑った自分を絞め殺してやりたい気持ちだよ」
「いえいえ、それは仕方のない話ですわ。なにせ、あの「ケットシー学生騎士団」の主催はフレデリカですから。」

 聞いた瞬間、なるほど、と思わされた。
 あの「物語」なら、これぐらいのイタズラを仕込むだろう。
 とかいえ、あの動きは一朝一夕にできるものではない。

「・・・何ヶ月前から仕込んでたんだい?」
「二週間ですわ」
「なっ、なんだって・・・?」

 あの動きを、あの統率を二週間で!?
 そんな驚きの中、杖をしまった「ケットシー学生騎士団」は、一斉に右手を掲げる。
 すると観客席から一斉に長い何か、いや「猫の手」がついた擬杖が投げ込まれ、全員の手に吸い込まれた。
 瞬間、隊員達は素早い動きと連携という「演舞」を見せ、観客席を再び沸き上がらせた。

「・・・あの見た目で、この統率力。軍の常識を塗り変えたようなもんだね」
「いえいえ、フレデリカの狙いはもっと別のところですわ」

 そういいながら会場の端を指さすアンリエッタ王女。
 そちらの方を見てみれば、なぜか人だかり。

「あそこでは「猫耳」「尻尾」「猫の手」が売ってますの。」
「・・・は?」
「かっこカワイイアクセサリーを自分の彼氏に付けるもよし、彼女が付けるもよし、子供にねだられて買うのもよし、なかなか国庫が潤いますわ」
「・・・なんつう腹黒さ」
「それがフレデリカ、ですわ」

 ついでに猫耳・尻尾・猫の手のセットが、お土産に渡されたのだった。


話の主軸マリコルヌ。
実は重要なキーマン、の出汁w

※今回の元ネタ
ベニシアのゴンドラ少女 ・・・ AQUA
長靴を履いた猫 ・・・ 長靴を履いた猫
 

(2,856文字)