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第十一話「野心」生まれて消えるとき

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ちょっと題名が変化球ですが、それっぽいのでよしとしました。


第十一話「野心」生まれて消えるとき

 教皇の用件というのは結構実りのあるものだったのです。
 まず、最高位の司教の名で出されていた「クロムウエル文章」を教皇の名で出し直してくれたこと、そしてこの意志決定はロマリア全体によるものだと示してくれたのです。
 つまり、裏技ではなく、本格的にロマリアをとりまとめることができたともいえる訳なのです。
 とはいえ、

「結局、あなたはなにがしたいのですか?」

 献上した新刊を麗しそうにほおずりしている男に冷たい視線を送ると、一瞬我に返る教皇。

「い、いやぁ、なんだかフレデリカ殿の新刊の入りが悪いのでね。新刊が手に入った喜びが勝ってしまったのだよ。」
「あの、ヴィットーリオさま。私にも読ませていただけますか?」
「おお、ジュリオ。私とともに後で読もうじゃないか。」
「・・・はい、ヴィットーリオさま。」

 実にバラ臭いのです。ギーシュ的ではない意味で。
 それも、鳥肌がたつ系の。
 長い時間、ここにはいたくないので、早々に撤退を決めたのですが、作品の話をしたいとか色々と会話をさせろと言うので、さくっと切り換えしました。

「それは何らかの遅延工作なのですか?」

 もちろんそんな意志はないと言うことで、即日で撤収撤退が始まったのです。
 そろそろオリバー君にも破門の話が行っている頃合、焦って本国との連絡をし始める頃合いなのです。
 絶望間に打ちひしがれた勘違い男を、叩き潰すには。
  












 驚きの連続の年になった。
 はじめは、かの有名作家「フレデリカ」が、我が王家の支持表明をしてくれた事に始まる。
 愛しのアンリエッタによる援護らしく、彼女の運営する少女歌劇団の演目原作や脚本などが送られてきて、王族派の貴族子女の安らぎになっていた。
 されにさらに鞭が入ったのは、トリステイン王立少女歌劇団への招待チケットが舞い込み始めてからだろう。
 娘のつきあいで見に行ったという貴族や部下たちが、いい娘孝行が出来たと鼻を膨らませているのだ。
 それを聞いて欲しがらぬ貴族などいないわけで、無理を言ってアンリエッタに頼んだところ、公演回数を増やしてまで対応してくれるという事までしてくれた。
 そのおかげか、王族派の結束は堅くなり、さらには貴族派からの寝返りも続出した。
 寝返った貴族にも分け隔て無くチケットは振りまかれ、書籍も送られてきた。
 つまり寝返れば戦功アリと認められるというという流れが外から付けられたというわけだ。
 逆に、我が王家は認めていない戦功なので、後々反乱が収まった後での判断基準にも出来るというおまけ付きであった。
 何とも恐ろしいまでの配慮に頭が下がる。
 そんな感謝を込めて愛しのアンリエッタへ愛の手紙を送ると、彼女は実に恐縮しきっていた。
 この筋道は、彼女の幼なじみであり友である「フレデリカ」によるものだというのだ。
 アンリエッタとあった際に、よくよく腹黒だの魔女だのと苦笑いではなしていた相手が、あの「フレデリカ」だとは思いもしなかった。

 曰く、あの「カリン」の猛特訓に耐えきった少年。
 曰く、四系統の魔法全てに等しく開花した才能。
 曰く、無限の文才を持つ頭脳。
 曰く、少女のような可憐さを持つ少年。
 曰く、漆黒の闇を背負った謀略家。

 全てはアンリエッタから聞いた話だが、話半分でも一人のこととは思えない。
 なんというか、理不尽な人間だ。
 そんな彼の布石により、反乱軍は瓦解寸前だという。
 協力していた貴族たちの大半が離反し、背後にいたロマリアからも見放され、自称「レコンキスタ」は陰に隠れていた男、オリバー=クロムウエルが丸裸の状態といえた。
 頑迷に彼に従う貴族や兵もいるが、今の兵力差で見れば10対1。
 歯牙にもかけず押しつぶせるほどの差になっている。
 だが、ここで慢心しては今までの繰り返しだろう。
 士気をあげ、そして叩き伏せなければならない。
 これだけの兵力差でも逃げない兵士となれば、それは死兵だろうから。
 すでに死んでいると覚悟した勇兵はかなり手強いはずだ。
 その事実を胸に、私は前線で指揮を執る。
 自称「レコンキスタ」という反乱軍戰滅の為に。












 ふはははは、見るのです、人がゴミのようなのです。

「フレデリカ、笑いが黒いわよ」
「失礼なのです。こんなに天真爛漫な笑顔を」
「フレデリカ、とりあえず、口元をゆるめる笑いはやめて。本当に怖いから」
「・・・ごめんなさいなのです」

 船という兵力を全て失った自称「レコンキスタ」は、地理自利に逃げるかと思いきや、降伏を示し、坊主を張り付けにして差し出してきたのです。
 ボコボコの状態で絶命した坊主の指を探ると、原作通りの「アドバリンの指輪」が出てきました。
 そんなわけで、指輪の力で復活させ、今回の反乱の首謀者から裏切り者名簿を作らせたところ、王子からその名簿の公表はしないでほしいという申し出があったのです。
 無論、執筆にも加えないでほしいと言い出したので、それなりの条件をたたきつけたところ、王も王子も絶句していたのです。
 何しろ断絶されたモード公家とサウスゴータ家の復活というあり得ない条件を突きつけたのですから。
 少し時間がほしいといい始めた王に、「サウスゴータの血脈とモードの血脈は絶えていないのです」と言ったところ、王も王子も真っ青。
 すったもんだの末、本人たちが望めば、という前提で2家の復活の布石がおかれたのです。

 そんな土産話を持って学院に戻ると、即座にスケベ爺に召集され細かな報告をさせられたのです。
 無論、色々と話せないことも多いのですが。

 で、王宮の御花畑王女を訪ねると、アンリエッタは一人カーニバル状態になっていたのです。
 王妃や枢機卿からは「よけいなことをしやがって」って目で睨まれていますが、御花畑からは大絶賛。
 騎士に推挙するとか親衛隊の設立だとか領地を与えるとか大騒ぎしている王女を拳で黙らせて王妃に直接面談したのです。
 基本、我が国も膿を出さないことには婚姻もくそもないのです。
 故に、このレコンキスタに通じていたリスト「トリスタニア版」を有効に使ってほしいのです。

 それを渡したところ、枢機卿は輝く瞳で笑い始めました。

 王妃も「こいつ、こいつらだったのねぇ!」とか高笑いを始める始末。
 一時的に気絶させたアンリエッタに活を入れて確認すると、どうやらゲルマニア婚姻推進派の大半がレコンキスタとつながっていたようなのです。
 そりゃ、どうも、頭の暖かい連中です。

「どういうこと?」
「つまりですね、ルイズ。国の情報をレコンキスタに売りつつ王族は聖王家でないゲルマニアに売り飛ばし、金と実益だけ得ようとした筆頭が坊主という訳なのです。ああ、徴税官なんかも多いのが特徴的なのですね」
「・・・うわー、この国つぶれててもおかしくないじゃない」
「それを支えていたのが枢機卿なのです」
「すごいですねぇ、こんな御花畑王族を支え続けるなんて」
「ルイズ、ルイズ、それは言い過ぎでなくて!?」
「初恋成就のために、悪魔に魂を売った姫様には言われたくないですよ」
「あ、悪魔だなんて。フレデリカは古くからの友人。そう、性別を越えた親友ですのよ!?」
「とりあえず、色々と要求されると思いますので、覚悟してください」
「・・・フレデリカ?」
「にぱ~」

 まぁぼったくるつもりはないけど、それなりに対価は求めるのですよ?
 とりあえず、アンリエッタは早いこと片づけることとして、アルビオンと我が国の王位継承をどうするか、ですね。

「・・・・あ」

 祭り状態の解けたアンリエッタは、正直考えていなかったわ、という顔になったです。

「とりあえず、アンリエッタと王子の第一子をゲルマニアに婚姻で売りつければゲルマニア問題は解決なのです。」
「・・・なっ」
「さすが、フレデリカ殿」

 息を詰まらせた王妃と関心の枢機卿。

「そうでもしないと、ゲルマニアだけ丸損でまずいのですよ」
「そうですな、それしかないでしょう。」
「アルビオンにアンリエッタを嫁がせると、我が国の王朝が一度途絶えるのです。この隙に動き出して政治を我がものにしようとしたバカとレコンキスタに通じたバカを一掃すれば、少しはきれいな国になるのですよ。」

 深いため息とともにアンリエッタは僕を見つめます。

「それが、他国と我が国を一掃する企みなのですね」
「もちろん、これをやるかどうかはアンリエッタの気持ち一つなのですよ」
「・・・その身を削る行為、まさにそれを求められていますよ、姫様」
「そのようね、ルイズ」

 だけどこの御花畑女は、ためらわないのです。
 自分の幸せだけを考えているあたりが、恐ろしいのですよ。

扱いの悪いアンリエッタですが、表面的に考えれば仕方ないっすよね?w

とはいえ、王族よりも酷い扱いなのは宗教。
すでに仇敵状態ですが、これはひとつの思想に凝り固まって権力を振るう組織を嫌っているから、という理由もあります。
「東京」は難敵でしたからw

誤字脱字は追々追ってますが、状況と展開には異論が少なく、結構嬉しい思いです。

なお、ひぐらしメンバーの参入は、一年目以降になりますので、ご理解ください

※今回の元ネタ
更新なし
 

(3,665文字)