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第四話 少女歌劇団が生まれて

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 非赤松椎名系作品 > フレデリカとゼロ魔 > 第四話 少女歌劇団が生まれて




 

女性に対して大きな偏見を持つ神代が描く女性像は歪んでいます。

実際の女性から見たヒロイン達はどんなものでしょうか?


第四話 少女歌劇団が生まれて
 えー、我が国は余程頭が暖かい国らしいです。
「ツェルプストーとラ・ヴァリエール物語」を国立劇場で演劇化するので協力するように「王宮」から指示がきました。
 王妃ではなく王女のアンリエッタからの直接指示だそうです。
 あー、もー、ほんとにー。
 アンリエッタはいつまでたっても「お姫様」で困るのです。
 やれと言われればやるのですよ?
 でもそれなりに出すもん出せ、なのです。
 そんな内容を修飾語溢れる文章で出したところ、

・開催費用は王宮持ち
・売り上げは折半でどうや?

 という関西風の内容がきたのです。
 とはいえ、必要経費は抜かれるのですから、こっちは結構丸損になりかねないのです。
 もちろん、ここで断ることは不可能なので、致し方なく了解したら、即日で迎えがきて拉致されたのです。
 面白そうだと言うことでルイズとカトレアねえ様がついてきたのですが、これが運命の切り替えポイントだとは思いもしなかったのですよ。














 脚本として演出やせりふの書き込みをしていたフレデリカが叫び声をあげた。

「あー、もう、この大根ども、なのです!!」

 演劇ってこういうものなんでしょ? と私が聞くと、ルイズとフレデリカが舞台に立って、身振り手振りで演技を始めました。

「ああ、ロミオ、貴方はなぜロミオなの!? ラ・ヴァリエールの名など捨ててくれれば、私たちは幸せになれるのに!」
「おお、ジュリエット! 君のためならば名を捨てよう、家も捨てよう、おお、ジュリエット!!」

 ひっしと抱き合うルイズとフレデリカを見て、女優は真っ赤になっているけれど、男優の反応が薄い。

「・・・というわけで、男優全員首!」
「「「「ええええええ!!」」」」」

 では男性役はどうするの?

「ちょっと格好いい、すらっとした女性をそれっぽくするのです」
「えー、男のカッコウするの?」
「違うのです。男性の格好をするのではないのです。格好いい夢の男子の格好をさせるのです。乙女の夢の具現化なのです」
「「「「「きゃーーーーー!」」」」」

 さらには歌や踊りを脚本に加えて、まるっきり別物に仕立ててしまったため、男役者や脚本家達は抗議を直接アンリエッタ姫自身がぶつけにきたのですが、練習上映していた内容を見てメロメロになってしまいました。

「フレデリカ、これはいつ完成するのですか?」
「あと一月も練習すれば、お金を取れるレベルになるのですよ」
「分かりました、この王立「少女」歌劇団は、私が全面的にバックアップします!」

 そんなわけで王立劇場付き劇団人員の大半が「王立少女歌劇団」へ移行し、実にブリリアントな転身をしたのでした。
 ほぼ完成というプレビュー開演の際、王宮からや大貴族の子女が大量に招待された結果、貴族子女が恐ろしいまでのファンになり、社交界での話題を一手に集める結果になったのでした。
 貴族ばかりしかみれない値段なのかと思いきや、実は民草にも会場の一部が解放されており、安い値段で見に来れるようにされているせいか、奥様がたや少女たちが夢のような世界に溺れることができる場として親しまれるようになったのです。
 これにより、王立劇場周辺の商業は盛り上がり、国外からの客相手の宿なども大いににぎわった。

 一から十まで計算したわけではないのだろうけど、フレデリカの突飛な発想から生まれた少女歌劇団という新しい名物は、我が国の国庫を地道に潤し始めているのでありました。
 ただ惜しむらくは、私の年ではすでに少女歌劇団向きではないと言うこと。
 ちょっと参加したかったわ・・・。
 カトレアお姉ちゃんは少し寂しいです。











 私は、正直に言ってトリステインなんて目じゃないと思っていた。
 文化だとか伝統だとかいって何も考えずに朽ち果てていくバカどもだって思ってた。
 でも、これを見て、なんというか、懐の深さを思いやられた。
 題材にしているのはウチとラ・ヴァリエールの関係のこと。
 うちの先祖がラ・ヴァリエールから男を寝取ったというふつうの話を、ここまで情熱的に、ここまで過激に、ここまで盲信的に描けるような人間がいるとは思いもしなかった。
 さらに、それを出版しているのが「ラ・ヴァリエール」だというのだから、もう、この手の話で二度とからかえないと思わされた。
 そういう意味では、この話を歌劇という全く新しい形の演劇にまでしてしまうトリステインという国の懐の深さに頭が下がる。
 さらにいえば、ハルケギニア中の「物語」好きを熱狂させている作家「フレデリカ」が、あの「フレデリカ」だと知った私は、両親を説得しトリステインの魔法学校に留学することにした。

 何しろあの「フレデリカ」だ。
 再び会うこともできるだろうし、今度は・・・・

「この本にサインがもらえるかもしれないわ」

 自分の胸に抱きしめるのは「ツェルプストーとラ・ヴァリエール物語」。












 王立少女歌劇団用に脚本も書かなくてはならなくなってしまった昨今、修行どころではなくなってしまったので、御師匠様の薦めもあって実家に一時帰ってみました。

 で、見慣れた実家が、三倍ぐらいの大きさになっていました。
 さらには、家の周りにお土産物やさんとか宿屋が乱立してるんですよ、なぜか。
 店先を見てみると「フレデリカ印のソーサー」とかペナントとか。
 商魂たくましいですね、我が家の領民たちは。

「お、これはこれはフレデリカぼっちゃま!」
「フレデリカ様じゃ、フレデリカ様が降臨なさたのじゃ!!」
「おお、リカしゃま、リカしゃま、リカしゃま」

 わらわらと領民達が寄ってくる風景が、結構怖いのです。

「じーさま、ばーさま、ちょっとまてって!」
「リカちゃん怖がってんだろ!?」

 割って入ってくれたのは、わりと昔遊んでくれた平民友達。
 今はV&R出版の社員をしてくれているのです。

「ほらほら、さっさっと行かないと、じーさまたちに若さすわれんぞ?」
「「「「ちーすうたろかぁ!?」」」」

 実にのりがいい老人達なのです。
 まぁ、そんなミニハプニングはスルーして、するっと実家の門をくぐったところで、両親が飛び込んできたのです。

「ふーちゃん、ふーちゃん、ふーちゃん、ふーちゃん!!」
「我が子、我が子、我が子、我が子、我が子!」

 とりあえず、父上は踏みつぶした後で母上を抱きしめました。
 そんないつも通りの親子関係をみて、家人たちは涙を拭う姿だったりするのです。
 ところで・・・・。

「このドコかで見覚えのある女性は何で家人服をきているのですか?」
「あら、こういう服が好みじゃないの?」

 さすがに年齢的に無理があるのですよ、エレオノールねえ様。

「フレデリカ、いま何か不穏なことを考えなかったかしら?」

 まぁ、そのへんはよしなに。
 で、なにしにきたのかと聞くと、なんでも「年間パスポート」をよこせ、とのことなのです。
 なにの、って、そりゃ・・・・。

「私、あの少女歌劇団って、私のためにあるといっても過言じゃないと思ってるのよ。そう、あれって、ほら、女の夢が詰まった宝箱じゃない? それも実の弟とも言って過言じゃないフレデリカが作ったとなると、やっぱりあれは私のための劇団よ。」

 だから、僕の持っている年間パスポートをよこせ、という訳らしいのです。
 実は既に僕のパスポートは御師匠様に奪われていたりするのですから、親子の因果は怖いのです。
 まぁ、僕自身は顔パスなので関係ないのですが、やっぱりパスポートは便利なので返してほしいかなーとはおもいますが、代わりにカッタートルネードが偏在プラスでやってくることを考えると口に出すことができません。
 そんなことを説明すると、エレオノールねえ様は「ちっ、遅かったか」と苦々しく舌打ちです。

「じゃ、回数券とかないの?」
「とりあえず、親族招待用のチケットは何組かあるのですが、父上と母上にアゲる分を横取りするのですか?」
「・・・うっ、さすがにそれは・・・。」

 思わずひるんだエレオノールねえ様に、三枚ほど入場券を渡しました。

「お友達と見に行くのですよ。三度通おうとか考えたらダメなのですよ?」
「・・・わかったわ。つまり宣伝用のチケットなのね?」
「そうなのですよ~。」

 ありがと、と苦笑いのエレオノールねえ様。
 なんだかラ・ヴァリエールと家族つき合いになってるなぁ、なんて思う僕なのでした。



3/21ちょっと改修しました。本格改修はちょっとあとw


※今回の元ネタ
更新なし


原作名:ゼロの使い魔

(3,409文字)

OU:1人
UA:19,133人