【CINEMAゲンダイ】
ヤクザ情婦の濡れ場熱演 有森也実「肌見せ? 問題はありません」
2013年11月7日 掲載
大胆シーンが話題/(C)日刊ゲンダイ
――監禁をめぐる男女の偏愛を描いたシリーズの8作目。「肌を見せることにも抵抗はなかった」というのは本当ですか?
「その部分に問題があったわけではありません。脚本を読ませてもらったところ、役柄の性格とか、生い立ちとか、細部まで設定されてなかったんですね。それで私なりに膨らませていくうちに、引かれたといいますか……。これまで積み上げてきたものがなければ演じきれない、でもそれらを総動員して向かったら、女優としてステップアップできるんじゃないかと思ったんです」
――とても色っぽく、そして過激で、試写室では男性が目を丸くしていました。
「そうですか? 意識して色っぽくとか、セクシーさを強調しようと思って演じたわけじゃないんですよ。考えていたのは、早苗の天真爛漫(らんまん)なところと、結(前川伶早)を産んで育ててきた母性をどう同居させるか。娘にとって、色っぽかったり、過激だったりしたのが、嫌な母親だったのではないかしら。壁に顔をグイッと押し付けられて、顔が歪むシーンがあるんです。私は変な顔になるから嫌だって言ったんですけど、カメラマンは親指を立て、グーだって。映像で見てみて、ハッとしたのを覚えてます」
――思い入れの強いシーンを挙げるとすれば?
「『白鳥の湖』を踊る場面があるんですが、台本には“踊りを踊る″としか書かれてなかったので、早苗という女がどういう女か、このシーンを見ただけでわかるようにしたいといろいろ考えて、私が提案させてもらったんです。トウシューズという女性特有の履物に、美しさと痛々しさを併せ持つリボンを交差させて踊ったらどうかって……。魔力で白鳥に変えられ、湖のほとりに幽閉された『白鳥の湖』の娘オデットと早苗を重ねることで、物語に深みを与えると思いました。アブノーマルな作品のピュアな部分も感じていただきたいですね」