UPDATE 1-第3四半期の米GDP速報値、前期比年率+2.8%に加速 在庫寄与で予想上回る
* 予想の2.0%増上回る * 個人消費支出・民間設備投資は鈍化 * 在庫や輸入の減速が押し上げ (内容を追加しました) [ワシントン7日 ロイター] - 米商務省が7日発表した第3・四半期の国内総生 産(GDP)速報値は、年率換算で2.8%増となり、2012年第3・四半期以来の高 い伸びとなった。前期の2.5%増から加速し、エコノミスト予想の2.0%増を上回っ た。 ただ、詳細を見ると強さに欠く内容となった。 在庫の変動が0.83%ポイント寄与したが、これを除くと成長率は2.0%となる 。 そのうえ、個人消費支出と民間設備投資が大幅に鈍化。米連邦準備理事会(FRB) の緩和縮小見送りを正当化する形となった。景気の短期的な見通しがそれほど明るくない ため、FRBは資産買い入れプログラムの縮小を来年に先送りするとみられている。 経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出が1.5%増と、2011年第2・四 半期以来の低い伸びとなった。前期は1.8%増となっていた。 消費の鈍化は、夏季の気温が低かったために電力需要が弱くなったことが1つの要因 だが、第3・四半期に雇用の拡大ペースが鈍化したことで消費が抑えられた面もある。 景気の見通しが不透明なことから企業は雇用を増やすことに慎重になり、設備投資を 抑制している。 民間設備投資の中でも、機器への投資は2012年第3・四半期以来の減少となった 。 一方、輸入の伸びが鈍化したことで、貿易赤字の拡大が抑えられ、成長率の押し上げ 要因となった。 政府調達は、1年ぶりに増加した。州・地方政府の増加が寄与した。 年初からの財政引き締めで米経済の上半期の成長率は1.8%だったが、緊縮財政の 重しが取れることで、成長率が第4・四半期に加速すると従来は予想されていた。ただ、 10月の政府機関の閉鎖が悪影響を与えそうだ。 住宅投資は、住宅ローン金利の上昇にも関わらず、大幅な増加となった。 米商務省が発表したGDP統計は以下のとおり。 (前期比%、年率、季節調整後、ドル=2009年・連鎖ベース) Q3-A Q2 2012 GDP 2.8 2.5 2.8 最終需要 2.0 2.1 2.6 国内最終需要 1.7 2.1 2.4 PCE価格指数 1.9 -0.1 1.8 コアPCE価格指数 1.4 0.6 1.8 PCE価格指数(市場ベース) 2.0 -0.3 1.8 コアPCE価格指数(市場ベース) 1.4 0.5 1.8 GDP価格指数 1.9 0.6 1.7 デフレーター 1.9 0.6 1.7 個人消費支出 1.5 1.8 2.2 耐久消費財 7.8 6.2 7.7 非耐久消費財 2.7 1.6 1.4 サービス 0.1 1.2 1.6 民間設備投資 1.6 4.7 7.3 構造物 12.3 17.6 12.7 機器 -3.7 3.3 7.6 知的財産/ソフトウエア 2.2 -1.5 3.4 民間住宅投資 14.6 14.2 12.9 輸出 4.5 8.0 3.5 輸入 1.9 6.9 2.2 政府調達 0.2 -0.4 -1.0 連邦 -1.7 -1.6 -1.4 州・地方 1.5 0.4 -0.7 (単位:10億ドル、季節調整後、年率ベース、ドル=2009年・連鎖ベース) Q3-A Q2 2012 GDP 15,790.1 15,679.7 15,470.7 最終需要 15,694.5 15,616.2 15,403.2 国内最終需要 16,107.4 16,041.0 15,835.2 個人消費支出 10,732.3 10,691.9 10,517.6 耐久消費財 1,348.5 1,323.2 1,246.7 非耐久消費財 2,347.1 2,331.7 2,296.8 サービス 7,053.4 7,051.5 6,982.7 民間設備投資 1,979.2 1,971.3 1,931.8 構造物 437.3 424.8 421.6 機器 921.2 929.9 905.9 知的財産/ソフトウエア 621.7 618.3 605.8 民間住宅投資 504.0 487.1 433.7 在庫変動 86.0 56.6 57.6 農業部門 22.5 19.5 -7.2 非農業部門 59.2 32.7 68.7 純輸出(財・サービス) -413.2 -424.4 -430.8 輸出 2,020.8 1,998.4 1,957.4 輸入 2,434.0 2,422.9 2,388.2 政府調達 2,906.0 2,904.5 2,963.1 連邦 1,163.2 1,168.2 1,220.3 州・地方 1,742.5 1,736.0 1,742.8 エコノミスト予想(ロイター調査) GDP +2.0 pct 最終需要 +1.8 pct デフレーター +1.4 pct コアPCE価格指数 +1.5 pct
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