LEGEND OF 民族フォーラム(5)「1999 in 兵庫」

ウリ時代21世紀

第1部の全体フォーラム「ウリ時代21世紀・われわれの役割」の模様(写真:朝鮮新報)

「1995年1月17日」。あの阪神淡路大震災の悲劇から、この時数えること4年。兵庫はここまで復帰したという報告とともに、これまで支援してくれたすべての同胞たちに感謝の気持ちを込め、次のフォーラムは神戸にて行われた。

「ウリ民族フォーラム99 in 兵庫・ウリ時代21世紀」が1999年7月11日、神戸ポートピアホテルにて開催された。日本各地の青商会会員、兵庫県の総聯活動家と同胞ら、900余人が参加した。

兵庫フォーラムは全3部制で構成された。

まず第1部の全体フォーラム「ウリ時代21世紀・われわれの役割」にて21世紀に向けた青商会の進路について議論した。

パネラーとして、当時の兵庫、大阪、京都の地方青商会会長に加え、朝鮮大学校の金在日・経営学部副学部長(当時)、韓東成・政経学部助教授(当時)、白吉雲司法書士という豪華メンバーが出演した。

討論では、「青商会世代は、1世の精神を引き継ぐ最後の世代。また朝鮮民族をめぐる情勢が激動した1960~70年代に青少年期を過ごし、思想的にも打たれ強い。伝統と転換を同時に思考できる世代だ」と、青商会が持つ可能性が指摘された。また担うべき役割としては「子供らに同胞のネットワークを引き継ぐ時は、所属団体別に垣根があるようなままではいけない」と、同胞社会から負の要素を取り除き、新たな展望を切り開く必要性が語られた。

第2部では、「ビジネス」、「同胞社会」、「教育」の3分科に分かれて分科別フォーラムが行われた。

ビジネス分科では、朝鮮大学校政経学部の呉民学講師(当時)が講演。同胞商工人がビジネスチャンスをものにしていくためのポイントについて語った。

同胞社会分科では、老人保健施設「ハーモニー共和」の鄭富子副施設長(当時)、近畿同胞結婚相談センターの朴輝国所長(当時)、同胞障害児の親たちの集まりである「ムジゲ会」の申桃順代表(当時)、白吉雲司法書士らが、同胞社会の現状について話し合った。

申さんは「精神的苦痛を感じている時、それを和らげてくれるような同胞社会になれば」と述べた。

教育分科では、生徒数や財政など現実的な課題が話題となった。「スポーツ教育を充実させ、寄宿舎を生かして生徒を募るなどして地域の学校を活性化させたい。そのためには現行の学区制を見直す必要もあるのでは」などの発言もあった。

第3部では「復興する神戸より感謝を込めて」というテーマを元にした大宴会が行われた。オープニングでは、兵庫県青商会会員ら約100人が、阪神・淡路大震災当時の同胞の助け合いをテーマに今回のために作詞作曲した「愛の手をつないでいこう」を合唱した。震災発生から今日にいたる復興の道程を見せる映像をバックに披露された歌声に、参加者らは惜しみない拍手を送った。

兵庫朝鮮歌舞団の歌と踊り、西神戸のオモニバンド「イプニヨッターズ」の演奏が披露されたほか、東京都青商会のコーラスサークルも友情出演した。

フォーラム参加者からは「期待以上の感動だ。兵庫の会員らの表情が実によかった」、「兵庫の同胞は震災の惨事に遭っても朝鮮学校を建て直し、同胞社会を守ってきた。こうした意気込みを、皆に伝えることができたのではないか」と話した。

なお宴会では、当時インターハイに出場した朝鮮学校生徒らに対する、青商会からの激励金の伝達などが行われた。

(朝鮮新報 2013.2.19 整理)


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