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サムスン、呉昇桓の海外進出容認…新守護神獲得へ阪神“全力”

 守護神候補へのアタックが解禁された。阪神が獲得調査を進めてきた韓国サムスン・呉昇桓投手(31)に関し、所属球団のサムスンが6日までに海外進出容認を正式表明したことが明らかになった。この日、韓国メディアが報じた。今後、興味を示す球団との本格交渉が可能となる最速157キロ右腕の獲得へ向け、早ければ週明けにも編成担当が渡韓し、交渉を開始する見込みだ。

 「新守護神」へとつながる扉が、ようやく開かれた。この日、韓国の聯合ニュース(電子版)が「サムスンは5日、呉昇桓(オスンファン)の海外進出を正式に許可すると明らかにした」と報道。今回のサムスンの決断は、呉昇桓の獲得調査を進めていた阪神にとって大きな前進となった。海外FA権未取得の呉昇桓が今オフに海外進出するためには所属球団の許可が必要だったが、その“障壁”が解消。交渉のテーブルに就くことが可能となった。

 聯合ニュースはさらに呉昇桓の海外進出をサポートするキム・ドンウク・スポーツインテリジェンス代表の「今まではサムスン球団の承諾が無かった状況で、具体的な提案を受けられなかった。これからは呉昇桓の望む球団と直接接触する予定だ。来週まで各球団と交渉し、11月末までに米国でも日本でも最終行き先地を決める」との談話も報道。阪神を含め日米12球団と興味を示す争奪戦が幕を開ける。

 阪神にとっては、遠くから眺めるしかなかった“恋人”へのアプローチがようやく解禁となる。9月には中村GMが緊急渡韓して視察するなどシーズン中から獲得へ向けた調査を続けてきた。球団首脳は「サムスンが承諾し、彼が日本行きを希望した場合は話をする準備は出来ている」と話し、坂井オーナーからも条件付きながら「ゴーサイン」を引き出していた。

 阪神は今回の「サムスンが海外進出を正式に許可」という情報もキャッチ。球団幹部は「(直接交渉開始は)1週間ぐらいの間じゃないか」と見通しを立てた。一定の時間を置くのはライバル球団の動向を探りながら、まだ希望進路を日米いずれか表明していない本人が、日本球界を選択する瞬間を待つ算段か。 

 早ければ週明けにも編成担当が渡韓し、アタックを開始する構えと見られる。

 来季、9年ぶりのV奪回を狙う猛虎。今オフの補強ポイントである「4番候補」はナショナルズのマウロ・ゴメス内野手の獲得が秒読み段階で、メドが立った。あとは「守護神」。今オフの戦力補強も、いよいよ大詰めを迎える。

 ◆呉昇桓(オ・スンファン)1982年7月15日、韓国生まれの31歳。サムスン入団1年目の05年から抑えとして活躍し新人王。同年の韓国シリーズでも3セーブを挙げてMVPに輝く。06年には47セーブで05年岩瀬(中)の46セーブを抜くアジア記録を樹立するなど、最多セーブを5度受賞。通算成績は444試合、28勝13敗、防御率1.69で、277セーブは韓国歴代トップ。08年北京五輪と06、09、13年のWBCで韓国代表に選出された。1メートル78、92キロ、右投げ右打ち。

[ 2013年11月7日 08:57 ]

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