とはいえ、韓国在住のアフリカ人もこの広告には悪意を感じている。韓国人の夫とソウルで暮らすザンビア出身のミリアム・シマシクは、「不快そのものだ」と憤る。「私たちアフリカ人は『純血』の韓国人の中で今も少数派のまま。人種差別に対する法律も十分に整備されていない」
韓国のネットでも非難の声が上がっている。「要するに企業は、たばこを作るアフリカ人をたばこを作るサルに変えた......人種差別ではないか」といった書き込みなどだ。
韓国社会では以前から外国人、特に黒人に対する差別が問題視されている。6月には、プロ野球選手の金泰均が韓国でプレーする黒人ピッチャーについて侮辱的な発言をして物議を醸した。金はこの黒人選手は対戦相手として手ごわい、なぜなら「顔が黒過ぎて白い歯とボールの見分けがつきにくいから」とネット番組で語った(非難されて後に謝罪)。
近年、韓国には移民労働者をはじめさまざまな国の人が流入している。もはや単一民族の国だという幻想は捨て、人種問題にもっと敏感になるべきだろう。
[2013年11月 5日号掲載]
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