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やたらに褒めるのはNG? Photo by Thinkstock/Getty Images
先日、アメリカで教育関係の仕事に携わる人から面白いお話を聞きました。なんでも、その人が経営する学校で保護者から受けた苦情として、「~ちゃん、かわいい」とむやみやたらと言うな、というものがあったそうです。
一瞬「?」と思うこの苦情ですが、理由を聞いて納得。
「かわいいね」と言われると子供は「かわいくあらねばならない」と、自分の可能性をせばめていくことになるのだそうです。つまりそれは「自分の規範に相手を適合させてしまう行為」ということ。
一見ほめて育てているような言葉が、その実、子供の成長を阻害する要因になる、というのがその保護者の主張だったそうです。
ではどうやってほめればいいのでしょうか? コツとしては、
「~~ちゃんのその靴、素敵な模様だね」
「~~くんは声が優しいね」
などと、具体的な対象物をあげてほめるのが良いのだそう。なるほど、説得力があります。似たような話に、子供の絵をほめる際に、本来のクリエイティビティを伸ばすには「上手だね」と言う代わりに、
「この空はすごく綺麗な青色だね」
「この目玉焼き美味しそうだね」
等といってほめた方が良いという説もあります。
さて、これらのエピソードは、子育てだけではなく現代の私たちの生き方にもヒントを与えてくれる気がします。
いまは選択次第でどんな生き方だってできる時代。自由度が高い分選択が難しく、常に迷いを生む時代だからこそ、「明確な自分像」を求めて「自分探し」がはやるわけですが、あなたの可能性は今のあなた、もしくはあなたの身の回りの人が表現できる以上にあると思いませんか?
自分は「~なタイプだ」なんて、抽象的な言葉にあてはめなくても良いから、好きなもの、心躍るもの、やりたいこと、きらいなこと、ふしぎに思うことを、ひとつひとつ、個々に認めてあげる。そうこうしているうちになんとなく、「オリジナルなあなた」という存在がまとまりをもってくるかもしれません。
自分を責めるよりは、ほめたほうがいい。
その際に、ぼんやりとほめるのではなく「こんなところも長所」と具体的にほめる。
ぜひ心がけてみてください!
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