11月3日(日本時間11月4日)、YouTubeが主催する音楽賞「第1回YouTube Music Awards」がニューヨークで開催され、「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」には韓国のガールズグループ・少女時代の「I Got A Boy」が選ばれ、ジャスティン・ビーバーやレディー・ガガら世界の大物を押さえて栄冠を獲得した。昨年12月末にYouTubeに公開された「I Got A Boy」のPVは7500万回以上も再生されており、その再生数の多さとユーザーの評価が受賞につながったようだ。
全世界を対象にした音楽賞を制するという快挙に韓国内は盛り上がっているが、一部ではこの結果を疑問視する声も上がっている。
この快挙は、国を挙げてK-POPなどのコンテンツ売り出しに取り組んできた韓国政府の国策が実った形ともいえる。以前から韓国の音楽業界はYouTubeを積極的に活用しており、今回の音楽賞でもノミネートされたPSYの「江南スタイル」が動画再生数10億回を突破するなど、ネット人気を背景に世界に進出してきた。
だが、K-POP作品のYouTube再生数については「再生数に比べてコメントが少ない」「F5連打(リロード)で水増ししているのでは」といった疑惑が以前からささやかれている。今回の音楽賞でも、受賞作品は動画の「再生回数」「共有回数」「コメント数」を基に賞が決められており、この水増し戦術によって少女時代に決まったのではないかと疑われているようだ。もし仮に水増しが決め手になったのであれば偽りの受賞ともいえるが、実際のところ少女時代の人気は世界レベルと言えるのだろうか。
「少女時代は昨年10月に3rdアルバム『The Boys』でアメリカ進出を果たし、ビルボードチャートの上位に食い込んで大成功を収めたと韓国メディアは伝えました。しかし、実際はビルボードの『ワールドアルバムチャート』で2位に入っただけ。これは比較的簡単にランクインできるマイナーなチャートであり、少女時代だけでなくキム・ヒョンジュン、BIGBANGのG-Dragon、SHINee、CNBLUEら多くのK-POP勢が上位に入った経験がある。信頼性に足る指標とすれば、米iTunesのチャートで『The Boys』のタイトル曲が総合部門で82位に入ったことくらいでしょう。しかし、米国進出に失敗したといわれている宇多田ヒカルの09年のアルバム『This Is The One』ですら同アルバムチャートで19位だったことを考えると、少女時代のアメリカ進出も大失敗だったと考えるのが妥当です」(音楽関係者)
どうやら、少女時代が世界的人気という触れこみにはかなり疑問の余地があるようだ。にもかかわらず、YouTubeの音楽賞で世界的アーティストを押しのけて受賞してしまったのだから、批判が起こるのも仕方ないのかもしれない。
今回の音楽賞では、きゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeなどの日本人アーティストはノミネートすらされなかった。同じアジア圏でありながら韓国勢のみが2組もノミネートされ、最大の賞までかっさらってしまったことになる。この韓国への優遇ぶりには、あからさまな裏事情があるという。
「YouTube音楽賞はメインスポンサーが韓国の自動車メーカー・起亜自動車なんですよ。スポンサーの件だけでなく、韓国政府がYouTubeと協力関係を結ぶなど運営サイドに食い込んでいますから、選定においてK-POPは絶対に無視できません。とはいえ、さすがにビデオ・オブ・ザ・イヤーをあげるのはやり過ぎに思えますけどね」(前同)
賛否両論あるやり方ではあるものの、少女時代の受賞は莫大な宣伝効果をもたらし、K-POPの世界戦略は着実に進んでいるのかもしれない。だが、本当の人気が追いついてなければ批判が強まるだけでなく、YouTube音楽賞の公平性すら怪しまれてしまうだろう。資金面での援助などウマ味はあるのだろうが、YouTubeが韓国の音楽業界からの擦り寄りに応じるのは両刃の剣といえそうだ。(佐藤勇馬)