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4号機廃炉着手へ 燃料取り出し前に公開 福島第1

燃料取り出しが始まる4号機燃料プール。燃料上部に細かながれきが残り、除去しながらの作業になる=6日午前、福島第1原発(代表撮影)

 福島第1原発事故で、東京電力は6日、使用済み燃料プールからの燃料取り出しを近く始める4号機を報道陣に公開した。

 プール内は、水素爆発した原子炉建屋の大きながれきは取り除かれていたが、燃料上部に細かいがれきが散見された。海水注入の影響は見られず、透明度の高い水が張られていた。水を循環させ、砂じんを取り除いたためだという。
 燃料取り出しは11月中旬に予定されている。事故を起こした1〜4号機からの本格的な燃料取り出しは初めて。東日本大震災の発生時、4号機は定期検査中で唯一、炉心溶融を免れ、先行して取り出し作業が行われる。
 作業は新設の燃料交換器で1本ずつ燃料棒をつり上げ、キャスクと呼ばれる鋼鉄製の容器に水中で移す。細かいがれきを目視で取り除きながら進める。
 作業拠点の5階オペレーションフロアの放射線量は毎時0.13ミリシーベルト。全面マスクが必要で、作業効率に影響を及ぼす。
 線量のほかにも(1)建屋の耐震性(2)キャスクの落下(3)細かいがれきによる作業障害(4)取り出した燃料の冷却−など、作業を難しくする問題が立ちはだかっている。
 原発の小野明所長は「燃料取り出しは廃炉作業の本当の意味でのスタート。準備を整え、納得できる状態で始めたい」と話した。
 東電は4号機の燃料取り出しを14年末までに終え、15年9月に3号機、17年度に1、2号機の取り出しを始める計画を立てている。1〜3号機は燃料が圧力容器、格納容器内に溶け、線量も高く作業難度は高い。作業が計画通りに進むかどうかは4号機の実績次第だ。
 京大原子炉実験所の小出裕章助教は「燃料棒を1体ずつ移動できるかどうか不安は残るが、原発全体の安全性を確保するため早く始めるべきだ」と語っている。

[福島第1原発4号機] 東日本大震災の発生時は定期点検中で燃料棒を炉心から原子炉建屋内のプールに移していて、炉心溶融を免れた。建屋は隣の3号機から流れ込んだ水素が充満して爆発した。プールには使用済み燃料1331体、未使用燃料202体が保管されている。


2013年11月07日木曜日

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