韓国造船業界は、受注急増と船舶価格の回復にもかかわらず、今年第3四半期(7-9月)の業績が不振だった。業績不振は船舶価格が急落した2-3年前に受注した分が今になって業績に反映されたことも一因だが、建造能力を考えずに無理に受注した海洋プラントが収益性低下の要因になっていると指摘されている。
韓国造船大手3社(現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋)のうち、最も先に業績を発表したサムスン重工業は、第3四半期の売上高が前年同期比11.9%減の3兆5757億ウォン(約3327億円)、営業利益が36.7%減の2058億ウォン(約191億円)、純利益が39.2%減の1686億ウォン(約157億円)だった。
現代重工業は売上高が0.5%減の13兆1384億ウォン(約1兆2225億円)、営業利益が63.0%減の2224億ウォン(約207億円)、純損益は前年同期の7316億ウォン(約681億円)の黒字から一転、1250億ウォン(約116億円)の赤字に転落した。来週業績を発表する大宇造船海洋も大幅な減益が見込まれている。
工期が長い造船業の特性上、今年の業績不振はある程度予想されていたが、市場関係者は造船大手3社の業績が予想を下回ったと指摘する。
現代重工業関係者は「欧州の財政危機で船舶価格が大幅に下落した2010-11年に受注した分が今年第3四半期に反映され、収益性が低下した」と説明した。しかし、造船業界では造船3社の業績不振は海洋プラントの大量受注が原因だと指摘する声がある。
商船であれば、標準化された設計図に基づき、規格化された工程で建造すればよいが、海洋プラントは発注元の要求に応じ、オーダーメード型で建造される。このため、追加費用が発生したり、納期が遅れたりするケースが続出している。造船大手3社は11年から世界的な造船不況に対処するため、経験が少ない海洋プラントを大量受注した。ある造船所幹部は「海洋プラントの建造過程で少なからぬ授業料を払っているのは事実だ。同時に複数の海洋プラントを建造し、工程管理に失敗したことで、赤字を計上するプロジェクトが出ている」と述べた。