【ロンドン=伊東和貴、ベルリン=松井健】英国情報機関の政府通信本部(GCHQ)が、ベルリンの英国大使館を拠点にドイツの連邦議会や首相府の通信を傍受していた疑いが5日、英紙インディペンデントの報道で明らかになった。独外務省は同日、駐独英国大使を呼んで報道について説明を求めた。

 インディペンデントが、米中央情報局(CIA)のスノーデン元職員がリークした米国家安全保障局(NSA)の文書の内容として5日付紙面で報道。英国大使館の屋上に設けられた傍受装置とみられる白い円筒状の構造物の空撮写真も掲載し、盗聴の拠点になっていたことを示唆している、と指摘した。

 この装置は2000年に大使館が開館した当時からあり、携帯電話や無線LANの通信を傍受できる可能性があるという。英首相官邸の報道官は「諜報(ちょうほう)活動に関する質問にはコメントしない」と同紙に語った。