日経新聞 2013年11月4日(月) P.17 法務面
『専門家に聞く』=明治大教授 奥脇直也氏=
『徴用工訴訟で賠償命令』=韓国政府が解決する問題=
戦時中の強制徴用などの賠償を求めた訴訟で、韓国・光州地裁は1日、三菱重工業に支払いを命じる判決を出した。
韓国大法院(最高裁に相当)が徴用工の請求権が有効として以降、同様の判断が続いている。
企業や国の対応について、国際法に詳しい奥脇直也明治大教授に聞いた。
「韓国政府の見解は、日韓請求権協定に基づいて請求権は互いに放棄されたとしている。
韓国司法と判断が食い違っているのだから、本来は韓国で解決すべき問題だ。
戦後補償問題では、(65年締結の日韓基本条約に付随した)協定がある以上、個人の請求は自国の政府に対して行うのが基本だ」
「韓国で日本企業の賠償責任が確定した場合、一義的には企業の経営判断の問題になる。
日本で起きた中国人元労働者の強制連行訴訟では、西松建設が最高裁で勝訴したが、最高裁から裁判外での解決を求められ、経営判断として被害救済の基金を設立した例もある」
「日本企業側が賠償金支払いを拒否して(韓国にある)財産を差し押さえられた場合、日本政府は自国民が国際法上違法な判断によって損害を負ったと主張し、外交的保護を求めることはできる。
だが、これは国家の損失を回復するための国家の権利だ。
国民の権利を代位するわけではないので、政府は行使に慎重になるだろう」
●関連日経記事:2013年11月5日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
『日経新聞 池上彰の教養講座「日韓関係改善 次代に託す」=65年に「日韓基本条約」を締結=』(11月4日付)
●関連日経記事:2013年11月6日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
『日経新聞 国際「日韓間の戦時徴用問題」=経済界、事態打開を提言=』(11月5日付)
『専門家に聞く』=明治大教授 奥脇直也氏=
『徴用工訴訟で賠償命令』=韓国政府が解決する問題=
戦時中の強制徴用などの賠償を求めた訴訟で、韓国・光州地裁は1日、三菱重工業に支払いを命じる判決を出した。
韓国大法院(最高裁に相当)が徴用工の請求権が有効として以降、同様の判断が続いている。
企業や国の対応について、国際法に詳しい奥脇直也明治大教授に聞いた。
「韓国政府の見解は、日韓請求権協定に基づいて請求権は互いに放棄されたとしている。
韓国司法と判断が食い違っているのだから、本来は韓国で解決すべき問題だ。
戦後補償問題では、(65年締結の日韓基本条約に付随した)協定がある以上、個人の請求は自国の政府に対して行うのが基本だ」
「韓国で日本企業の賠償責任が確定した場合、一義的には企業の経営判断の問題になる。
日本で起きた中国人元労働者の強制連行訴訟では、西松建設が最高裁で勝訴したが、最高裁から裁判外での解決を求められ、経営判断として被害救済の基金を設立した例もある」
「日本企業側が賠償金支払いを拒否して(韓国にある)財産を差し押さえられた場合、日本政府は自国民が国際法上違法な判断によって損害を負ったと主張し、外交的保護を求めることはできる。
だが、これは国家の損失を回復するための国家の権利だ。
国民の権利を代位するわけではないので、政府は行使に慎重になるだろう」
●関連日経記事:2013年11月5日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
『日経新聞 池上彰の教養講座「日韓関係改善 次代に託す」=65年に「日韓基本条約」を締結=』(11月4日付)
●関連日経記事:2013年11月6日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
『日経新聞 国際「日韓間の戦時徴用問題」=経済界、事態打開を提言=』(11月5日付)