楽天トラベル、韓国観光に見いだす活路

出遅れた海外旅行、HISなどに対抗

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覚書を交わす楽天トラベルの岡武公士社長(左)と韓国観光公社の金榮湖・東京支社長(右)

ネット宿泊予約首位の楽天トラベルが韓国の政府観光局に当たる韓国観光公社と覚書を交わし、ソウル以外の地方観光スポットへの日本人旅行客の増加に向け共同PRするなど、協力関係を強めることで提携した。

ジェイティービー(JTB)やエイチ・アイ・エス(HIS)など、海外旅行取り扱いに強い大手を押さえ、楽天が当局と密接な関係を構築できた理由は何か。

「ネットに強い楽天」を選んだ韓国側

2012年後半は竹島問題などによって揺れた日韓関係。訪日韓国人客は足元で徐々に回復しているものの、前年比では減少となった。だが、12年の訪韓日本人数は、年後半には訪日韓国人同様に鈍ったものの、通年で352万人と過去最高を記録した。その内訳では、個人旅行が76.5%に拡大(2006年は67.2%)し、女性客も過半数の59.1%(同47.1%)に達し男女が逆転した。

楽天トラベルと韓国観光公社との間で1月21日に交わされた提携内容は以下のようなものだ。(1)FIT(Foreign Independent Travel:海外個人旅行)向け旅行商品の共同開発、(2)韓国観光公社が楽天トラベルに観光コンテンツを提供し、日本語Webサイトを通じた共同広報・マーケティングを行う、(3)楽天グループをあげて韓国旅行商品を販売促進する、などなど。

韓国交通公社と楽天トラベルは08年以来の提携関係にある。韓国観光公社の金榮湖(キム・ヨンホ)東京支社長は「これからの海外旅行はオンラインでの予約が増えることが間違いない。だからネットに強い楽天を選んだ」と説明する。

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