エホバの証人 乱れた性概念に、増加するペドフィリア・幼児虐待
米ABCテレビは7月31日、オハイオ州クリーブランドに住んでいたエホバの証人の元信者が、子どもの頃から、教会関係者に性的虐待されていたと告発し、エホバの証人オハイオ州会衆と組織を相手取り、民事訴訟を起こしたと報じた。
原告は26歳の女性で、「性的虐待を受けている子どもたちを守ろうとしない、エホバの実態を世間に知らしめてやる」と、息巻いているとのこと。エホバの証人には「人が罪を犯したと証明するには2人以上の証言が必要」という規則があるため、これまでたくさんの幼児性虐待事件がうやむやにされてきた。女性は「規則を変えるべきだ」と声を大にしているが、そう簡単にはいかないようである。
ABCテレビの報道によると、今回、エホバの証人を相手どり訴訟を起こしたのは、26歳になるエリザベス・マクファーランド。エリザベスは、"奉仕の僕"だったスコット・シルバシーという男性から、9歳から13歳までの5年間にわたり、繰り返し性的ないたずらをされ、このことを"長老"に訴えたものの、何もしてくれなかったと告発した。
エホバの証人の信者たちは、週2回集まって聖書について学んでおり、この集まりの単位を会衆と呼んでいる。いわゆる牧師のような聖職者はおらず、資格を持った"長老"と呼ばれる霊的に円熟した男たちが、会衆の集会を毎週司会し、信者たちを霊的に導く。
"奉仕の僕"とは、長老団を助け、会衆がスムーズに行えるよう奉仕する役割を担う男たちのことを指す。敬虔な信者の中でも、信頼でき良心的に務めを果たすことができる者だけが選ばれ、長老からも信者からも、厚い信頼を得ている。
エリザベスの弁護士は、「エホバの証人には、人が罪を犯したことを証明するには、加害者本人が罪を認めるか、犯行現場を目撃した2人以上の証人の証言が必要だ、という規則がある」と説明。この規則は、聖書の申命記19章15節に記されている、「いかなる犯罪であれ、およそ人の犯す罪について、1人の証人によって立証されることはない。2人ないし3人の証人の証言によって、その事は立証されねばならない」に基づいたものなのだが、密室で行われることが多い幼児性虐待に目撃者がいることは稀であり、そのため、エホバの証人は、「幼児性虐待の温床」「幼児性愛者のパラダイス」だとも言われているのだ。
エリザベスだが、誰も彼女を救ってくれなかったことに絶望し、長老に訴えてから8ヵ月後にエホバの証人を脱退したとのこと。現在は、ウェストバージニア州に住んでいるとのことだが、彼女の両親ら家族は今なおエホバの証人を信仰し、会衆に通っているという。ABCテレビの取材に応じたエリザベスは、「私が16歳の誕生日を迎えた日に、加害者のスコットは自殺した」と明かし、「彼の行為を許すつもりはさらさらないけれど、自分なりにあの出来事を理解し、心の平穏は取り戻している」と語ったものの、「私の人生は、虐待されたことで大きく変わってしまった」「規則を盾にして、性的虐待を受けている子どもたちを守らない、エホバの証人は許せない」と憤りを露にした。
今から10年前、米紙ニューヨーク・タイムズが、過去60年間で米国カトリック教会の1,200人を超える聖職者が4,000人以上の子どもに性的虐待を加えたと報じ、世間に大きな衝撃を与えた。
このカトリック教会同様、エホバの証人でも多くの子どもたちが性的虐待の被害にあっているのだが、エホバの証人の場合、長老や奉仕の僕など、指導的な立場にいる者だけでなく、会衆に集まる一般信者たちが加害者になるケースも多いという。身内や友人の兄弟などからいたずらされることもあり、2003年に、エホバの証人の元信者が、「友人の8歳年上の兄から、10歳から13歳まで繰り返し性的虐待を受けてきた」と告発したことがある。性的虐待の大半は密室で行われるため、目撃者が存在することはまれだ。加害者は、「2人以上の証人の証言」規則に守られるため、やりたい放題。2003年に告発した女性も、勇気を振るい絞り長老に訴えたものの、「2人以上の目撃者がいない以上、何もできない」と迷惑そうに言われた上、「混乱を招くから、このことは一切黙っているように」と口止めまでされたと明かし、大きなニュースとなった。
カトリック教会よりもたちが悪いとされている、エホバの証人の幼児性的虐待問題。訴訟すれば勝てるケースが多く、多額の和解金を受け取れたケースもある。しかし、ほとんどの被害者が「エホバの規則だから」「聖書に書かれているから」と公にせず、心に出来た深い傷を一人で抱え続けながら耐え続け、誰からも咎められない加害者は子供たちに次々と襲いかかっていると見られている。
品行方正で敬虔なクリスチャンだと謡われることが多いエホバの証人。弱き子どもたちを、性犯罪者から守らないという実態はあまりにも酷すぎるが、「2人以上の証人の証言」規則を見直さない限り、これからも幼児性虐待の被害者は増え続けるだろうと報じられている。
“秘密結社、カルト団の巣窟”ナイジェリアの悲惨な実態 「拷問・リンチ・警察返り討ち…」
3万人が薬漬け、儀式レイプ、コスプレ…ロシアカルト教団「アシュラム・シャンバラ」の実態と近況
死体を大がまで煮て悪魔の生贄に……カルトリーダー、アドルフォ・コンスタンツォ
ヤバすぎて封印された日本の奇習! 鹿児島のレイプ結婚「おっとい嫁じょ」とは?
レイプ大国インドの実態 顔に硫酸、素手で腸を出す……信仰とカーストが生んだ獣たち
「カトリック教会よりもたちが悪い」これは微妙ですが,書かれている内容は事実。あと見過ごされがちなのは「2人以上の証人の証言」という問題だけではなく,エホバの証人の間にある問題を外部に漏れないようにする閉鎖性も原因の一つ。「霊的パラダイス」の無理なイメージ作りの弊害。