2013年11月6日15時54分
【新屋絵理】100人に1人が発症するとも言われる統合失調症。特徴的な症状は幻聴や妄想とされる。でも、幻聴ってどこから何が聞こえてくるの? 妄想ってどんなもの? 疑似体験できる講座があると聞き、参加してみた。
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大阪市西区在宅サービスセンターの会議室。照明を落とした部屋に20~70代の男女32人が集まっていた。
精神保健福祉士の藤井健さん(43)が統合失調症の症状や治療薬などを説明する。すると、どこからか男性の声が聞こえてきた。
《ふふふ……ふはははっ……うーん》《薬のんでるで》《あかん、あかんて》
低くつぶやくような声。意味の分からない会話。藤井さんの説明に集中できない。
「ラジオか何かの声がうるさい。止めて下さい」
参加者の1人がとうとう声を上げた。
「これが統合失調症の症状です」とスタッフが明かした。実は、げた箱の中に入れたり布をかぶせたりして隠したスピーカーが部屋の四隅に設置されていた。
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朝日新聞社会部
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