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再上陸はリヴァンプが橋頭堡

撤退から6年、バーガーキングが日本に再上陸する。その橋頭堡となるのが企業経営の支援会社、リヴァンプである。

リヴァンプは、ファーストリテイリング元副社長の澤田貴司氏(関連記事)と同元社長の玉塚元一氏が2005年10月に共同で設立した。流通業を対象にした企業再生ファンド、キアコンを運営していた澤田氏が同社を廃業して、玉塚氏とタックを組み、リヴァンプを立ち上げた。その後デルコンピュータ社長だった浜田宏氏(関連記事)が合流した。

社名のリヴァンプは「刷新する」の意味。コンセプトは「企業を芯から元気にする企業」(玉塚元一パートナー)だという。「どんな企業でも壁に当たる。また可能性があるのに、その可能性を十分に生かせていない企業もたくさんあります。そんな企業に対して経営者や資本、知恵を注入してその会社をブレークスルーさせることを目的にしています」(同)

その手法は、1)経営コンサルタントのような高みの見物ではなく、実際の経営の執行部隊として直接参画する、2)逃げ場のない経営責任を負うために自らも出資する――というものだ。「出資することで、経営の責任を負う。その上で経営の主体者として事業計画をつくり、必要な人物と金を集めて、その会社を再生させていきます」(玉塚氏)

リヴァンプは会社設立から1か月たった2005年11月、ロッテとの資本提携と同社の外食部門であるロッテリアの経営再建に着手することを発表した。2006年6月にはロッテと提携してクリスピー・クリーム・ドーナッツの日本進出に成功。一躍注目されるようになった。「3〜4年前に米国でこのブランドに出会った澤田が、いつか日本で展開したいと思っていた。リヴァンプを設立したあと、かなり早い段階で日本への進出計画を策定した」(玉塚氏)

株主が変わったバーガーキングがリヴァンプに注目した

バーガーキング・コーポレーションがリヴァンプに接触してきたのは、2006年春。

バーガーキング・コーポレーションは日本市場でのパートナーとなる企業探しを始めていた。そのリストにアップされた企業の1社がリヴァンプだったという。

バーガーキングはいったん日本に進出し、撤退を余儀なくされたブランドだ。なぜリヴァンプは、バーガーキングの日本再進出に力を貸すことにしたのか。

その点について玉塚氏は「経営方針など米国の状況が、だいぶ変わっていたからです。株主も当時とは大きく変わりました。日本から撤退した当時のバーガーキング・コーポレーションの経営は米国中心だった。日本に対する締め付けも厳しかった。いっぽう日本のニーズについては、十分な配慮をしてもらえなかったようです。また外食産業のプロが少なかったという話も聞いています」と説明する。

バーガーキング・コーポレーションの株主は何度も変わっている。1967年には製粉業などを手掛ける大手食品メーカー、ピルスベリーがオーナーとなりバーガーキングを拡大。その後1989年には英国のコングロマリット企業、グランドメトロポリタンがピルスベリーを買収。バーガーキング・コーポレーションの経営は、この後厳しい状態に陥っていったという。さらに、グランドメトロポリタンとギネスが1997年12月に合併。新たに誕生したディアジオは、しばらくはバーガーキング事業の再建に力を注いだが、次第に距離を置くようになった。

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