HP”闇色|天幕
”の桜香雪那さんの作品『魔術師の遺産』。
同作家さまの『月の光に染まる街』の流れを汲むSS。
『月の光に染まる街』は弓塚と四季に重みを置いた本編の再構成。オリジナルよりも退魔の色が濃い志貴を中心にオールキャストで『遠野家編』『吸血鬼編』の間をなぞる。表立って表現されることはないがクロスオーバを匂わせる場面が途中ちらほら挿入され、最後にはこれが物語に大きく関ってくる。
これに続く『魔術師の遺産』、これはクロスオーバーを前面に出した作品になっている。
月姫サイドと空の境界サイドに分かれて物語は進行される。それら2つの物語は同じ悪意のもとで一つに交差することとなる。
その交差点となるのが雪に覆われた『白神山地付近の山中』。
鮮花の修行のサポートという形でその地へ赴くことを橙子から言い渡された黒桐。それを不満として同行を申し出る式、何故か付き添いの決まった藤乃。
全ては魔術師達の目論見のもとにキャスティングは進められる。
同時刻闇の中には宮内庁からの通達で協力者達との合流を図る姉弟の姿が会った。
オリジナルに比較的忠実だった『月の光に染まる街』から一転。そこでの設定をうまく使い、今までにないアプローチで月姫および空の境界の新たな魅力を引き出そうとする『魔術師の遺産』。
常に背後の巨大な悪意(しかも複数)を意識させながら進むシナリオに緊張感は高まります。
漫画化させていただいた場面はわれらが月姫サイドのイチゴさんこと乾一子と物語に渦巻く悪意の一端との戦闘シーンです。
『月の光に染まる街』でも志貴の考察から"乾"がそっち寄りっぽいことを推測することはそれとなくできましたが、まさかこう来るとは…
詳しく書くとネタバレになるのであとは桜香雪那さんの桜香雪那さんの作品『魔術師の遺産』および『魔術師の遺産』をお読みください。
設定が個性的なだけにとても新鮮な気持ちで漫画化できました。
もっとその陰陽師たちの個性的な雰囲気を前面に出したかったのですが…横溝の技量不足です。
このようなすばらしい作品を漫画化させてくださった桜香雪那さんには感謝です!
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