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2013年8月4日 16:12

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記事提供元:エコノミックニュース

 トヨタ自動車が2日に発表した2013年第1四半期決算で、通期の税引き前利益予想を2兆300億円に上方修正した。まだ予想段階とはいえ、過去最高だった08年3月期(2兆4,372億円)に次ぐ2度目の2兆円越えとなる。その他の自動車メーカーの決算も好調で、製造業をけん引する業種の好決算に日本経済の復活を喜ぶ声も一部で出始めている。しかし、一方で、「復活したのは、一部の大企業だけ」という声も少なくない。では、今のところ、どちらの主張のほうに説得力があるのか。

 検証のひとつの目安として、銀行決算が参考になる。銀行はおカネという経済の“血液”を社会に循環させる重要なインフラ。銀行収益が上がれば、社会の“血行”が良くなっているということで、景気が回復しているという判断につながるからだ。

 

 その銀行決算だが、第1四半期は、まさに絶好調。メガバンクでは、三井住友フィナンシャルグループが第1四半期としては過去最高の最終利益を達成、みずほフィナンシャルグループは最終利益が前年同期比34.8%増と大幅な増益。三菱UFJフィナンシャルグループも経常利益が23.5%増となった。

 地銀も好調。2日までに出揃った地銀上位行の純利益は前年同期に比べ平均で約30%増となっている。

 しかし、これらの中身を見ると、本業の国内の貸出による利益はいずれも低調。前期比でマイナスの銀行もある。高収益の理由は、国債などの売却による運用益だった。

 こうして見ると、日本経済の“血行”が良くなっているかどうか、疑問が沸いてくるが、その疑問を解くカギのひとつとして、ある銀行担当の証券アナリストが「セブン銀行の収益が大きな参考になる」という。

 そのセブン銀行が2日に発表した第1四半期決算は、最終利益が23.3%増の大幅増益。これで「日本経済は、まだまだ復活には程遠い」(前出の証券アナリスト)。

 というのも、セブン銀行の収益の9割がATM手数料という銀行としては極めて特殊なビジネスモデルだからだ。セブン銀行の収益が上向きということは、ATMがより頻繁に利用されているということになる。それと景気との関係を前出の証券アナリストは「ATMが使われる頻度が高くなるということは、人々がムダ遣いをしないようにおカネを必要なときに必要な分だけしか下ろさないということ」と解説する。財布のヒモが固く、1回当たりの下ろす金額が小さくなるため、回数が増えるというわけだ。

 実際、セブン銀の収益は、リーマンショックが起こった09年3月期以降も東日本大震災による影響を除けば上昇基調を続けている。

 政府が発表する経済指標や、大企業の決算よりも、ATMの利用頻度のほうが一般庶民の実生活をより正確に把握できる面がある。足元では、日本経済の復活は、まだまだほど遠いという意見に分がありそうだ。(編集担当:柄澤邦光)

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