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重い元素 百億年ほど前 宇宙全体に拡散か10月31日 5時42分
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宇宙空間に存在する鉄などの重い元素は、今から100億年ほど前の一定の時期に、宇宙全体に広がったとみられるという研究結果を、JAXA=宇宙航空研究開発機構などの研究グループがまとめました。
JAXAとアメリカのスタンフォード大学の研究グループは、8年前に打ち上げられた日本の宇宙観測衛星、「すざく」を使い、地球からおよそ2億光年離れた「ペルセウス座銀河団」を観測しました。
その結果、銀河団の内部では、鉄の元素が出すX線の強さが均等で、鉄がまんべんなく分布していることが分かったということです。
仮に、銀河団の誕生後に鉄ができていれば分布には偏りが生じるため、観測結果は、鉄の元素が銀河団が誕生したおよそ100億年前までに、宇宙空間にまんべんなく存在していたことを示しているということです。
一方、鉄などの重い元素は星の内部で作られ、星が寿命を終えて爆発する際に拡散します。
こうした星の爆発は、今からおよそ100億年から120億年前の時期に多発しているため、研究グループは、鉄などの重い元素がこの時期に宇宙全体に広がったとみられるとしています。
JAXA宇宙科学研究所のオーロラ・シミオネスク研究員は、「初期の宇宙についての重要な研究で、非常に興味深い結果が得られたと感じています」と話していました。
この研究結果は、31日発行されるイギリスの科学雑誌、「ネイチャー」に掲載されます。
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