【ソウル=中野晃】英国を国賓訪問している韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が、英BBCとのインタビューで、日本との首脳会談について「元慰安婦などの問題が解決しない状態では、首脳会談はしない方がましだ」と語った。

 朴大統領は「日本がまったく態度を変えず、一部の政治指導者が、我々は間違っていないとして謝罪する考えもなく、苦痛を受けた方々を侮辱し続けているような状況では、(首脳会談をしても)何にもならないというのが現実だ」と述べた。英BBC(電子版)が4日、インタビュー内容を伝えた。

 日本政府は1965年の請求権協定で「解決済み」との立場だが、韓国政府は「慰安婦問題は協定の対象に含まれない」と主張。元慰安婦の一部や支援団体は「公式謝罪と賠償」を求め、朴大統領は「元慰安婦の傷をいやす誠意ある措置を」などの表現で日本に新たな対応を求めている。

 日韓首脳会談は2011年12月、当時の李明博(イミョンバク)大統領と野田佳彦首相が京都で会談したが、慰安婦問題をめぐって事実上決裂して以来、途絶えている。安倍晋三首相は「対話のドアは常にオープン」と述べているが、韓国側は「対話のための対話は難しい」(大統領府)として日本が解決案を示すのが先だと主張している。