高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の警備システムに、原子炉等規制法に基づく核物質防護規定違反があったとして、原子力規制委員会は6日、運営する日本原子力研究開発機構に対して文書で厳重注意し、再発防止を求めることを決めた。

 規制委による今年7月に実施した検査で、立ち入り制限区域のフェンスの一部が内規で定めた高さより約30センチ低かったほか、見学者の身分証明書のコピーを取っていなかったことなどがわかった。核物質防護規定の順守事項の一部不履行にあたるという。

 この日の規制委員会では、委員から「大量のプルトニウムを扱う施設でこういうことが起きるのは想像つかない」(田中俊一委員長)など、原子力機構に対する厳しい意見が相次いだ。もんじゅでは、1万点を超える大量の機器の点検を放置していた不祥事で、規制委から今年5月に運転再開の準備を禁じる命令を受けている。