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江渡益太郎の版画を紹介/五戸
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五戸町図書館で行われる江渡益太郎版画展の展示作品「ひまわり」(右)と「柿」 |
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五戸町図書館は29日から、同町出身の江渡益太郎(1913〜97)の版画作品61点を集めた展覧会を開く。教員などとして長年、本県版画教育の普及に力を注ぎつつ、地域への愛情を作品に刻んだ江渡。同図書館は「生誕100年を迎えたのを機に、版画教育に寄与したふるさとの版画家を知ってほしい」と話している。11月10日まで。
江渡は1934年に教職に就き、36年間にわたり三戸郡などの小学校で教えた。郷土史家としても知られ、77年には町功労者表彰を受けている。
幼少時から絵を好んだ江渡は、進学先の青森師範学校で図画科担任だった今純三に師事。本県の洋画、日本近代銅版画の先駆者からエッチングや石版の技法を学び、日本版画協会展などで多数入選した。一方で、三戸郡はもとより県内の小学校などの版画教育に精魂を傾け、日本教育版画協会の役員も務めた。
今回展示されるのは10年前に県外の大学教員(故人)が町に寄贈した58点と町公民館所蔵の3点。「種差の岩」は、鋭利な岩肌を寒色系で描き、荒々しさを表現。「りんご園」は、ピンクなどの柔らかい色合いで木々に生命力をあふれさせた。
県立郷土館の對馬恵美子学芸課副参事は「美術教育に版画を取り入れ、本県を版画王国と言われるまでに特色づけた一人。版画家としても多色木版画で風景などを描いた作品を残し、銅版画でも先駆的であった」と語る。
同図書館では、読書週間に合わせて江渡や版画に関する収蔵書の展示も実施。同図書館の松坂君江主幹は「作品や書籍を通して、より多くの人が版画に親しむ機会になれば」と話している。
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