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2013年11月6日(水) 東奥日報 ニュース



■ “心の古里”津軽色満載の舞台

写真
本県の魅力を発信する舞台「南水ひとり語り」のポスター
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 舞台朗読家・熊澤南水さん(72)=千葉県在住=の舞台「南水ひとり語り」が28、29日、都内で上演される。演目は太宰治「津軽」と森〓外「高瀬舟」。津軽黒石市観光大使の演出家・梶本晃司さん(66)=東京都在住=が津軽色満載の舞台に仕立てた。熊澤さんは幼少期の5年間を過ごした津軽を「いい思い出が何一つない」と拒み続けてきたが、今は感謝の気持ちに変わり、来年は念願の県内初公演も予定されている。演じる熊澤さんと演出の梶本さん。本県を心の古里とする二人が舞台を通して本県の魅力を発信する。※〓は「鴎」の異体字

 熊澤(本名・初枝)さんは東京都出身。6歳のとき、父親が戦後の混乱の中で事業に失敗して心労から死去。家も財産も失い、稲垣村(現つがる市)にある母の実家に移り住んで物置のような家で赤貧生活を送った。11歳で横浜市に住む父の知人の養女になると、今度は学校で津軽なまりを笑われ、友達もできず、孤独な日々が続いた。

 二度と戻るまいと津軽を捨てたはずの熊澤さんだが、最近になって「私は何があってもめげない。いろんなことがあったけど、生きてこられたのは、津軽の厳しい風土が私の心(しん)の強さをつくってくれたおかげ」と思うようになった。二度と使うまいと誓った津軽弁にも、抵抗がなくなった。

 津軽の良さに気付くのに60年かかった分だけ、熱い思いがどんどん膨らんでいった。そんなとき、たまたま熊澤さんの舞台を見て惚(ほ)れ込んだのが演出家の梶本さんだった。

 梶本さんは高校3年のとき、受験勉強のために黒石市の温湯温泉を訪れ、本県に魅了された。舞台などの演出のほかに、歴史などに焦点を当てたテーマ型観光の推進など、地域活性化の活動にも熱心。黒石市の観光大使を務める。今回の舞台もずばり「津軽の魅力発信が目的」と言う。

 今回の演目は梶本さんが、東京都三鷹市の禅林寺に太宰と〓外の墓が向かい合わせに並んでいることから構成した。

 演出には民謡や踊りを織り込み、津軽の香りいっぱいの舞台に仕上げた。「津軽」は太宰が子守の越野タケと再会する場面がハイライト。「その場面の南水さんの津軽弁の語りは、絶品の一言です」と梶本さん。「青森県には奥深い魅力がたくさんある。舞台でそれをアピールしたい」と意欲を燃やしている。

 公演は東京都江東区の亀戸文化センター(カメリアホール)で28、29日昼夜各2回。

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