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IPAについて

プレス発表  iパス(ITパスポート試験)をはじめとする情報処理技術者試験の出題構成の見直しについて

2013年10月29日
独立行政法人情報処理推進機構

「情報セキュリティ」に関する出題の強化・拡充

  IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)情報処理技術者試験センターは、昨今の情報セキュリティの重要性の一層の高まりや情報セキュリティ人材が不足している状況を踏まえ、情報セキュリティに関する知識を含めた国民全体のITリテラシー向上及び情報セキュリティ人材の更なる育成・確保に資することを目的として、「iパス」をはじめとする情報処理技術者試験の全試験区分において、「情報セキュリティ」に関する出題の強化・拡充を実施します。

  近年、インターネットの普及に加え、スマートフォン等の急速な利用の拡大によって国民全体としてITに触れる機会が増大するとともに、企業活動においても、標的型サイバー攻撃やWebサイト改ざん等、インターネットに接続されている広範な機器、システムへの攻撃が相次いでおり、「情報セキュリティ」の重要性が一層高まっています。また、2013年6月10日に政府から公表された「サイバーセキュリティ戦略(*1)」では、現在、情報セキュリティ人材は潜在的に約8万人が不足している状態にあるとされており、その人材不足への対応が急務となっています。

  このような背景を踏まえ、2013年6月14日に閣議決定された国家戦略「世界最先端IT国家創造宣言(*2)」では、情報モラルや情報セキュリティに関する知識を含め、国民全体のITリテラシーの向上を図ることが求められており、さらには、ITの利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化として、国際的にも通用・リードする実践的な高度IT人材の育成が必要であるとしています。また、「サイバーセキュリティ戦略」においても、サイバー空間の拡大・浸透に伴う情報通信技術の利活用の広がりにより、新たな課題に対応しなければならない人材が今後ますます不足すると考えられることから、情報セキュリティ人材の発掘、育成、活用を進めることが必要であることが盛り込まれています。その他、「世界最先端IT国家創造宣言 工程表(*3)」では、国家試験活用の促進等の企業における人材育成基盤整備を行うことが求められています。

  加えて、2013年10月にIPAが実施したアンケート調査(*4)によれば、「資格取得や試験勉強などを通して、今後身に付ける必要がある知識」で「情報セキュリティ」と回答する技術者が約5割と最も多く、情報セキュリティ技術の習得や強化のニーズは高いといえます。

  今回、これらに関する具体的な施策の一つとして、情報処理技術者試験が、わが国全体における情報セキュリティに関する知識を含めたITリテラシーの向上、及び情報セキュリティ人材をはじめとする高度IT人材の育成・確保に資することを目的として、iパスほか情報処理技術者試験の全試験区分を対象に、「情報セキュリティ」に関する出題の強化・拡充を実施します。

出題の見直し内容

(1)iパス
  • 情報セキュリティに関する出題比率を大幅に高めます。具体的には、「iパス 出題範囲」(別紙1)における「中分類23 セキュリティ」の出題比率を2倍程度に高くします。また、「中分類2 法務(うち、セキュリティ関連法規)」の出題比率も高くします。
  • ITを利活用する業務部門の従事者にとって、より親和性の高い出題構成とするため、ITシステム開発寄りの出題比率を低くします。マネジメント系では、「中分類8 システム開発技術」及び「中分類9 ソフトウェア開発管理技術」の出題比率を低くします。
  • その他、全分野における個々の試験問題についても、技術的に細かい内容を問う問題を排除し、学習した知識が実務に生かせるような問題の出題に継続的に取り組んでいきます。
  • 上記の見直しに伴い、各分野の出題数を次のとおり変更します。

<iパス 分野別出題数>
分野 見直し前 見直し後
ストラテジ系 32問 32問
マネジメント系 23問 18問
テクノロジ系 37問 42問
92問 92問

*iパスの出題数100問のうち、総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問で行い、残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われる。

(2)基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験(AP)
  • 午前試験において「中分類11 セキュリティ」の出題比率を高くします。
  • 午後試験において「情報セキュリティ分野」を選択問題から必須問題に変更します。
    なお、出題する各分野の配点に変更はありません。
  • 上記見直し後の「午前試験 試験区分別出題分野一覧表」については別紙2を、「午後試験 分野別出題数(基本情報技術者試験、応用情報技術者試験)」については別紙3をご参照ください。

(3)高度試験
  1. 高度試験全区分
    • 午前I試験(共通知識)において「中分類11 セキュリティ」の出題比率を高くします。
  2. ITストラテジスト試験(ST)
    • 午前II試験の出題範囲に「中分類11 セキュリティ」を追加します。
  3. プロジェクトマネージャ試験(PM)
    • 午前II試験の出題範囲に「中分類11 セキュリティ」を追加します。
  4. システムアーキテクト試験(SA)、ネットワークスペシャリスト試験(NW)、データベーススペシャリスト試験(DB)、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)、情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)、ITサービスマネージャ試験(SM)、システム監査技術者試験(AU)
    • 午前II試験において「中分類11 セキュリティ」の出題比率を高くします。

    上記見直し後の「午前試験 試験区分別出題分野一覧表」については別紙2をご参照ください。

適用時期
iパス 平成26年5月7日以降の試験から適用
FE、AP、高度試験 平成26年度春期試験から適用
公開資料
「試験要綱 Ver1.7」
http://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html
参考情報
情報セキュリティ人材についての取組(IPA/HRDイニシアティブセンター)
http://www.ipa.go.jp/jinzai/hrd/security/index.html

脚注

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本件に関するお問い合わせ先

IPA  IT人材育成本部  情報処理技術者試験センター  作成グループ  山内/本多/岩男

Tel: 03-5978-7600  Fax: 03-5978-7610

報道関係からのお問い合わせ先

IPA  戦略企画部  広報グループ  横山/梶

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