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【社会】

JASRAC著作権料徴収 高裁、参入排除と認定

 日本音楽著作権協会(JASRAC)がテレビ局やラジオ局などと結んでいる音楽の著作権使用料の一括徴収方式が独禁法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁は一日、「他業者の新規参入を排除する効果がある」と判断し、適法とした公正取引委員会(公取委)の審決を取り消した。

 独禁法違反の有無については確定的な判断をせず、事実上審理を公取委に差し戻す判決。公取委側は上告を検討する。

 問題となったのは、局側がJASRACに一定額を支払えば管理曲が使い放題になる「包括徴収」方式。業界最大手のJASRACは、放送局向け事業のシェアをほぼ独占しており、競合する著作権管理会社、イーライセンス(東京)が審決を不服として高裁に提訴していた。

 飯村敏明裁判長は、JASRACの徴収方式を「放送局が他の業者の曲を使う際、追加負担を強いる仕組みで、局側が経費削減のため、他の業者の使用を控えようとするのは自然だ」と指摘。他業者の新規参入や事業継続を著しく困難にする仕組みだと判断した。

 独禁法違反といえるかどうかに関しては(1)不正な競争手段を用いていないか(2)公共の利益に反するか−なども争点となったが、高裁判決は排除効果についてだけ審決の誤りを認定し、他の争点は「公取委があらためて判断すべきだ」とした。

 公取委は二〇〇九年にいったんJASRACに対し、曲の使用実績を反映する徴収方式に改めるよう求める排除措置命令を出したが、昨年六月の審決では判断を覆した。

 

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