米ファストフード大手マクドナルドが世界で最も有名なケチャップメーカー、ハインツの製品を社内の販売システムから締め出す。誰もが知っている通り、ケチャップはフライドポテトに付ける調味料として開発された。その意味でマクドナルドの決断はハインツにとっては悪材料だ。地方紙ピッツバーグ・ポスト・ガゼットが以下のように報じた。
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ファストフード大手バーガーキング・ワールドワイドのベルナルド・ヒース元最高経営責任者(CEO)がハインツのトップに指名されたことを受け、マクドナルドは先週、ケチャップの仕入れ先を変更する手続きを開始したと確認した。ヒース氏は現在もバーガーキングの取締役会の副会長を務めている。
マクドナルドは文書で「最近になってハインツの経営陣が交代したため、今後はケチャップをほかのメーカーから仕入れることに決めた」と明らかにした。
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米投資会社バークシャー・ハザウェイとブラジルの未公開株(PE)投資会社3Gキャピタルは6月にハインツの買収手続きを完了、バーガーキングの元CEOをトップに据えた。3Gは2010年10月に41億ドルでバーガーキングを買収した後、12年に一部株式を公開した。マクドナルドが主要ライバルに非常に近い関係にあるメーカーを避けたいと思う気持ちはわかる。
マクドナルドの広報担当者は当社に「ハインツが40年以上もケチャップを提供し続けてくれたことに感謝している(中略)ハインツには事情を伝えた。今後は当社の外食事業が円滑に、かつ整然と新たな体制に移れるよう、共に取り組んでいく。当社の事業や顧客への影響はなく、製品の味が変わることもない」と話した。
ハインツの広報担当者は顧客との関係については口を閉ざしたものの、ハインツにとって、マクドナルドを失ってもそれほど大きな打撃はなさそうだ。会社全体の出荷量の中でマクドナルドの国内店舗向けはごく一部を占めるに過ぎないからだ。
国外での方がマクドナルドとの結び付きは強かった。マクドナルドの広報担当者は、この変更についてポスト・ガゼットに、「世界中でのもの」と伝えた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の06年の報道によると、1970年代前半にトマトが不足した際、ハインツはマクドナルドの必要量を満たせずに契約を破棄された。それ以来、マクドナルドとの関係修復に何年も費やした。マクドナルドとの契約復活という使命を成し遂げるのは至難の業だった。ハインツの幹部は当時WSJに「短距離走ではなくてマラソンだった」と話していた。そしてマラソンは必ずしも走り手の望むようには終わらない。
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