羽生 結弦
プロフィール
- 生年月日:1994年12月7日
- 身長:171cm
- 所属先:Toronto Cricket and Skating Club
- コーチ:ブライアン・オーサー、トレイシー・ウィルソン
パーソナルベスト
- 総合:261.03
- (ISU NHK杯 2012)
- ショートプログラム:95.32
- (ISU NHK杯 2012)
- フリースケーティング:173.99
- (ISU 世界フィギュアスケート選手権 2012)
主な戦績
- ISU 世界フィギュアスケート選手権 2012
- (銅メダル)
- 全日本フィギュアスケート選手権大会 2011
- (銅メダル)
- ISU グランプリファイナル 2011
- (4位)
- ISU 世界ジュニアフィギュアスケート選手権 2010
- (金メダル)
- ISU ジュニアグランプリファイナル 2009
- (金メダル)
今季のプログラム
ショートプログラム
- 『パリの散歩道』
- 作曲:ゲイリー・ムーア
振付:ジェフリー・バトル
フリースケーティング
- ミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』
- 作曲:リカルド・コッチアンテ
振付:デイビッド・ウィルソン
●ここがみどころ!
今季は、子供の頃から習っていた阿部奈々美コーチのもとを離れ、振付師も一新。彼の新しい魅力が一気に開花した。
ショートはブルースの名曲「パリの散歩道」。羽生のこれまでのドラマチック路線から大きく転換し、新しい持ち味を磨くための修行の選曲だという。スケーティングの基礎技術を必要とする「一歩に長く乗る」「スピードの緩急で音楽を表現する」といった大人の魅力が詰まった作品。オフからアイスショーでよく滑り込んでいた成果も出て、スケートアメリカでは、早速95.07で歴代最高得点をマークした。
フリーは「ノートルダム・ド・パリ」。ただ単に滑るような部分がほとんどなく、ジャンプやスピンの間も、途切れることなくステップや踊りを入れている。高度かつ緻密な、質の高いプログラムに仕上がった。
「ジャンプを1本でも転ぶと、せっかく繋がっているプログラムが途切れてしまう。こなすので精一杯だけど、仕上がったら素晴らしいものになる」と羽生。
試合を重ねるに連れて成長していく、彼の滑りに注目したい。
スポーツライター野口美恵's EYE
今夏から拠点をトロントに移し、キム・ヨナを金メダルに導いたブライアン・オーサーのもと、新たなスタートを切った17歳。昨季の世界選手権で見せた情熱的な演技に加えて、伸びやかな大人の滑り、2種類の4回転ジャンプなどを加え、さらなる急成長を遂げています。
彼の強さの秘訣は、勝気で貪欲な精神力でしょう。自分よりレベルの高い選手に出会うと、臆するどころか、何かを吸収しようと近寄っていくのです。世界王者のパトリック・チャンと公式練習で一緒になった時は、後を追ってスケーティングのコツを学び取り入れました。今季は、同門のハビエル・フェルナンデスから、世界でも2~3人しか跳べない4回転サルコウのイメージを掴み、早くも今季初戦で成功。常にアンテナを張っている姿勢が、彼の成長を支えています。
「絶対勝ってやる」といった強気発言で自らを奮い立たせるのが彼の名物でしたが、少し大人になった彼は「今年は口に出して宣言しなくても、自分の意思をコントロールしたい」と、新たな自己発見のステージに立っています。純粋な挑戦者だった昨季までとは一味違う戦いぶりが、とても楽しみです。