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フェイスブック「いいね!」捏造工場を発見 24時間体制でクリック

ニュースカテゴリ:国際のアジア

フェイスブック「いいね!」捏造工場を発見 24時間体制でクリック

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米カリフォルニア州のフェイスブック本社に描かれた看板と、その前に立つ従業員の影。チャックの向こう側の工場では「いいね!」マークが生産されているように見える(AP)  ネット上で人気の目安となっているフェイスブック(FB)の「いいね!」やツイッターの「フォロワー」などの数を水増しするため、労働者が一日中パソコンの前に座ってクリックを続ける“捏(ねつ)造(ぞう)工場”が、バングラデシュにあった。(SANKEI EXPRESS

 英民放の調査報道番組が7日までに伝えたもので、英紙ガーディアンなど他のメディアも大きく報じている。日本でもネット上で、水増し請負が売りに出されるなど問題になっている。事業者側はこうした行為を厳しく禁じているが、疑惑の目が向けられるのは必至。その数を競う風潮にも一石を投じそうだ。

1人で1000アカウント

 窓に格子がはめられた狭く薄汚い部屋。大勢の若者がパソコンの前に座っている。1日3交代制で24時間、依頼のあった顧客のため、いいね!やフォロワーのほか、「ユーチューブ」の投稿動画の再生回数を増やす作業を行っている。

 英民放「チャンネル4」が5日に放送した調査報道番組「ディスパッチス(特報)」は、バングラデシュの首都ダッカにある捏造工場の様子を詳細に伝えた。ダミーのFBのページを立ち上げ、水増し請負業者に接触する“おとり取材”を行い、工場を突き止めたという。

 工場を取り仕切る男は取材に、自らを「FBの王」と自慢し、仕事内容を吹聴してみせた。働く若者の一人はFBやツイッターにアクセスするための「アカウント」を1000種類以上も取得しているといい、これを使い分けて水増しを行う。数時間もすると、「いいね!」が1000人分増えた。これで顧客が払う料金は15ドル(約1450円)。

 労働者には年間120ドル(約1万2000円)が支払われる。貧困にあえぐバングラデシュでは、低賃金でも、こうした仕事に喜んで従事する若者は多いという。「バングラデシュは今、新たな産業を得た」(ネットメディア)というわけだ。

消費者の3割がチェック

 番組では、男性グループ歌手の売り出しで水増しを利用した事例も紹介。街のあちこちにポスターを張り出し、午前10時にはオーディションを実施。午後1時に4人が選ばれ、30分後、グループ名が決まり、午後2時半にデビュー曲が完成。午後3時から録音、プロモーションビデオの撮影が行われた。すぐにユーチューブに投稿し、水増し業者に連絡を入れると、再生回数はたちまち9万8000回に達した。再生回数の多さが話題になれば、スターが誕生…。

 「多くの企業は『いいね!』を増やしたがっている。ネットユーザーの約3割は、買い物をする前に、その商品の『いいね!』の数や、その企業のツイッターのフォロワー数をチェックするからだ」

 番組内容を事前に報じた英紙ガーディアン(電子版)は、こんなセキュリティー・コンサルタントのコメントを紹介した。

日本でも横行

 日本でもオークションサイトを検索すると、「いいね!1000増加2000円」といった水増し請負が多数出品されている。飲食店の口コミ情報サイトでは、サクラを雇った「やらせ投稿」が発覚し問題になった。

 外国人名のアカウントが多数を占めるなど水増しは不自然で発覚しやすいというが、消費者も、その「数」は簡単に増やせることを知っておいた方がいいだろう。

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