Updated: Tokyo  2013/11/06 05:25  |  New York  2013/11/05 15:25  |  London  2013/11/05 20:25
 

11月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、製造業景気指数受け安値から戻す

4日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで6週間ぶり安値から上昇。ユーロ圏の製造業景気指数が4カ月連続の活動拡大を示したことが影響した。

ユーロは対円で3営業日ぶりに上昇。欧州中央銀行(ECB)が今週の政策決定会合で利下げを見送るとの見方が背景にある。オーストラリア・ドルは主要16通貨すべてに対して堅調。小売売上高の増加を好感した。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日に政策会合を開く。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「ユーロ圏の製造業に関する明るいデータが出てきた。投資家はこれをショートカバーの好機ととらえた」と指摘。「今週の利下げ予想は少数派だ。しかし今週は利下げがなくても、そう遠くない将来に金融緩和を決定する可能性は大きいだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前週末比0.2%高の1ユーロ=1.3514ドル。一時は9月18日以来の安値となる1.3442ドルに下げた。対円では0.1%上昇して1ユーロ=133円25銭。前営業日までの2日間では1.7%下げていた。ドルはこの日、対円で0.1%下げて1ドル=98円60銭。

豪ドルは3営業日ぶりに上昇。9月の豪小売売上高は0.8%増加し、ブルームバーグがまとめた予想中央値の0.4%増を上回った。

豪ドルは対米ドルで0.8%高の1豪ドル=95.10米ドル。1日には94.22米ドルまで下げ、10月14日以来の安値を付けていた。

ユーロ圏製造業景気指数

英マークイット・エコノミクスが発表した10月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)は51.3と、前月の51.1から上昇し、速報値と一致した。同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。先週のユーロは、予想以上に低いインフレ率 を受けて軟調に推移していた。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「今週は注目のECB会合で大した材料が出てこないかもしれない」と指摘。「ECBが利下げに踏み切らない場合、ユーロは対ドルで持ち直す可能性がある。しかし、そうなっても一時的なものだ」と続けた。

同氏は12月にECBが利下げを決定すると予想し、その場合はユーロが年末までに1.32ドルに下げるだろうと述べた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト68人の調査では、米バンク・オブ・アメリカ(BOA)と英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、スイスのUBSが今週の会合でのECB利下げを予想。残りはいずれも据え置きとみている。ECBが最後に利下げを実施したのは5月。政策金利を過去最低の0.5%に設定した。

RSI指数

ブルームバーグがまとめたデータによると、ユーロは1ユーロ=1.3489ドルの50日移動平均を割り込んだ後、再びこれを上回る水準に戻した。相対力指数(7日ベース)はこの日28.6。相場下落の勢いが薄れつつある可能性を示唆する30を下回っている。1日には22を付けていた。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、この日の対ドルでのユーロのオプションの店頭取引出来高は100億ドル。全体に占めるシェアは29%と最大だった。

対円でのドルのオプションは66億ドル。全体に占める比率は19%だった。全体のオプション出来高は350億ドル。1日の390億ドルから減少した。

原題:Euro Rises From 6-Week Low as ManufacturingGrows; AussieGains(抜粋)

◎米国株:上昇、資源株高い-GDP、雇用統計控え様子見

4日の米国株 は上昇。石油のエクソンモービルや鉄鋼のUSスチールを中心に資源株が上昇した。今週は実質国内総生産(GDP)や雇用統計が発表されるため、全般には様子見の展開となった。

エクソンモービルは2.5%上昇した。ゴールドマン・サックス・グループによる業界判断の引き上げを材料にUSスチール やAKスチール・ホールディングが値上がりした。シリアルメーカー大手ケロッグは0.7%上昇。4カ年のコスト節減計画の一環として、世界の従業員を7%削減すると明らかにした。

一方、カナダのスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリーは大幅下落。筆頭株主であるフェアファックス・ファイナンシャル・ホールディングスは、47億ドルでブラックベリーを買収する提案を撤回した。

S&P500種株価指数は0.4%上昇の1767.93。ダウ工業株30種平均は23.57ドル(0.2%)高の15639.12ドル。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資責任者(CIO、フィラデルフィア在勤)は、「全般的に企業決算は良好だ。バリュエーションは恐らく適正レンジ内と言えるだろう。年末のポートフォリオ調整に向け、株式市場は大幅な売りが出るというよりも堅調が続きそうな勢いだ。何かしらの調整があるとしても、この環境では短期的なものになるとみている」と述べた。

企業決算動向

ブルームバーグのデータによると、S&P500種構成銘柄でこれまでに四半期決算を発表した374社 のうち76%がアナリスト予想を上回る利益となった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、同株価指数構成銘柄の7-9月期の利益は4.1%増となっている。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種の株価収益率(PER)は16.8倍と、約3年ぶりの高水準に迫った。15年間の平均値は19.3倍となっている。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値によると、7日に発表される7-9月(第3四半期)の実質GDPは前期比年率2%増が見込まれている。前四半期は2.5%増だった。

8日に発表される10月の雇用統計では12万5000人の雇用増が見込まれている。

ケロッグが高い

S&P500種のセクター別(全10業種)はいずれも上昇した。USスチールは4.4%高。AKスチールは8.7%値上がりした。ゴールドマン・サックスはいずれの銘柄も株式投資判断を「売り」から「買い」に引き上げた。また、米鉄鋼業界の判断を「中立」に上げた。

ケロッグ は0.7%高。4日の発表によると、「プロジェクトK」として知られる今回のプログラムにより、総額12億-14億ドルの税引き前費用が発生する。

ブラックベリー は16%の大幅安。同社はトップ交代と転換社債発行による10億ドルの出資を受ける。発表資料によると、フェアファックスはブラックベリーの買収ではなく、2億5000万ドルで同社の転換社債を引き受ける。

新たな合意の一環として、ソーステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)は辞任する。元サイベースCEOのジョン・チェン氏が執行会長に就任し、事業戦略を指揮する。

原題:U.S. Stocks Rise as Commodity Shares Rally BeforeGDP,Jobs Data(抜粋)

◎米国債:4日ぶりに上昇、金融当局者が緩和継続を支持

米国債相場は4営業日ぶりに上昇。月850億ドルの債券購入について、複数の金融当局者が継続を支持する姿勢を示したことが背景にある。

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)理事は極めて緩和的な政策を当面は推し進める可能性が高いと発言した。ボストン連銀のローゼングレン総裁は労働市場が力強くなるまで、緩和政策を続けるべきだとの見解を明らかにした。財務省は第4四半期の借り入れ必要額の見通しを3カ月前の予想から約13%上方修正した。年末時点での流動性残高引き上げが狙い。

BTIGのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏は「利回りがまだ下降トレンドにあるのは明らかだ。金融政策をめぐる懸念が市場を席巻している」と指摘。「現在の水準から利回りがさらに低下するにはハードルが高いため、現行水準にとどまっている。金融当局の姿勢がもっと明確になるまで、データに左右される相場展開が続くだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時9分現在、10年債利回り は前営業日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.60%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は5/32上げて99 1/8。

財務省は第4四半期の純借入必要額を2660億ドルと予想し、7月29日時点の2350億ドルから上方修正した。年末時点の流動性残高を1400億ドルと予想した。前回の予想では800億ドルだった。

「運営に柔軟性」

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏(ニューヨーク在勤)は「債務上限がさほど遠くないという政治的なリスクを考慮し慎重になっている財務省にとって、多額の流動性残高は運営に柔軟性を与える」と指摘。「財務省は現金が足りないよりは、むしろ現金が多過ぎて不必要になるという状況を望んでいる」と語った。

財務省は6日に3、10、30年債の入札の詳細を発表する。入札は今月12日から3日間の予定で実施される。

7月31日の声明によると、財務省は来年1月末に初めての変動利付債を発行する計画だ。そうなれば1997年にインフレ連動債が導入されて以来の新たな形の国債発行となる。

ニューヨーク連銀はこの日、2019年8月から20年6月に償還を迎える米国債を37億ドル購入した。

パウエル理事

パウエルFRB理事はサンフランシスコで講演し、「米国の金融政策はしばらく極めて緩和的な状態が続く可能性が高い」と発言。「購入ペースを緩めるタイミングは経済の進展状況に左右されるため、必然的に不透明なものだ」と述べた。

ブルームバーグが17-18日に実施したアナリスト調査によると、金融当局が緩和策を縮小し始める時期は来年3月と、従来の見通しから遅れると予想されている。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニューヨーク在勤)は「先行きを見る上で8日発表の雇用統計に注目が集まるとみられ、現在の相場はかなり中立的な水準にある」と指摘した。

10月の非農業部門雇用者数は12万人増が予想されている。9月は14万8000人増だった。

この日発表された9月の製造業受注額は1.7%増加。予想は1.8%増だった。前月は0.1%減少。

原題:Treasuries Snap 3-Day Decline as Fed OfficialsBack Bond-Buying(抜粋)

◎NY金:上げ幅縮小、株高やダラス連銀総裁発言が重し

ニューヨーク金先物相場は上げ幅を縮小した。米国株の上昇を背景に、金の需要が減退した。S&P500種株価指数は一時0.3%値上がり。米ダラス連銀のフィッシャー総裁は債券購入縮小を3月までに支持する可能性を排除しないと述べた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は「堅調な株式市場とフィッシャー総裁の発言が金を圧迫している」と指摘。一方で「ドルの弱さが金の支えになっており、プラス圏にはとどまっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前週末比0.1%高の1オンス=1314.70ドルで終了した。

原題:Gold Futures Pare Gains; Platinum Advances onSupplyConcern(抜粋)

◎NY原油:4カ月ぶり安値付近で変わらず-供給増が重し

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。供給増加と対ユーロでのドル軟調が拮抗する形となり、4カ月ぶり安値付近で推移した。リビアは原油積み出しターミナル2港の操業再開を準備している。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州)のマイケル・リンチ社長は「リビアが輸出を拡大するというニュースは弱気材料だ」と指摘。「米国の原油在庫は潤沢過ぎるくらいだ。そのためにウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はブレントより安くなっている。市場は米当局の緩和措置とドル安を織り込みつつある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前営業日比1セント(0.01%)高の1バレル=94.62ドルで終了した。

原題:WTI Crude Little Changed Near Four-Month High onSupplyConcern(抜粋)

◎欧州株:5年半ぶり高値、好決算でHSBC高い-ECBも注目

4日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は5年半ぶり高値を更新した。英銀HSBCホールディングスは増益となったことから買われた。欧州中央銀行(ECB)が7日に発表する金融政策も注目されている。

HSBCは2カ月ぶりの大幅上昇。同行の7-9月(第3四半期)税引き前利益は30%増えた。オランダの郵便サービス、ポストNLは7.8%上げた。利益見通しの引き上げが好感された。一方、アイルランドの格安航空会社、ライアンエアー・ホールディングスはここ5年で最もきつい値下がり。同社は利益見通しを下方修正した。スイスの銀行、UBSとクレディ・スイス・グループも下げた。

ストックス欧州600指数 は前週末比0.3%高の322.50で終了。終値ベースで2008年5月以来の高値となった。

メリテン・インベストメント・マネジメント(デュッセルドルフ)の欧州株アセットマネジャー、トビアス・ブリッチュ氏は電話インタビューで、「決算発表に関して今週は欧州にとって最も忙しい週の一つだ」とし、「決算シーズンのほか、中銀の決定も影響する相場動向という展開になっている」と語った。

4日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が上昇。英FTSE100指数と仏CAC40指数はそれぞれ0.4%上げ、独DAX指数は0.3%高となった。

原題:European Stocks Climb to Five-Year High asHSBC Profit Increases(抜粋)

◎欧州債:スペイン債が下落、入札を控え-英独債は上昇

4日の欧州債市場ではスペイン国債が下落。10年債利回りは6カ月ぶり低水準まで下げた後、上昇に転じた。同国は最大40億ユーロの国債入札を週内に実施する。

イタリア国債は3営業日ぶりに下げた。同国製造業の関連指数が予想に反して低下したことが背景。一方、ドイツ国債は上昇し、10年債利回りは12週間ぶり低水準に迫った。先週発表されたユーロ圏インフレ率が大幅に低下したことから、欧州中央銀行(ECB)が7日の定例政策委員会で利下げするとの予想が一部エコノミストらから浮上している。

INGグループのシニア金利ストラテジスト、アレッサンドロ・ジアンサンティ氏(アムステルダム在勤)はスペイン国債について「入札を控えて値下がりしていることから、10年債利回りは上昇する可能性がある。国内投資家の需要は短期債と比べて小さい」と説明。その上で、「全般的にスプレッド(利回り格差)縮小のトレンドは続く見込みだ。スペインの入札は順調となるだろう。これまでも無事に起債し、国債発行を既に前倒ししてこなしている」と語った。

ロンドン時間午後4時46分現在、スペイン10年債 利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.01%。一時は3.95%と、5月3日以来の低水準となった。同国債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格は0.34下げ103.135。2018年10月と23年10月、26年7月にそれぞれ満期を迎える国債の入札は7日に行われる。

イタリア10年債利回り は4bp上げて4.12%。一時は4.07%と、5月29日以降で最低となった。ドイツ10年債利回りは1bp低下し1.68%。10月31日には1.65%と、8月8日以来の低水準を付けた。

英国債相場は3営業日ぶりに上昇。10年債(表面利率2.25%、2023年9月償還)の利回り は前週末比2bp低下の2.63%、価格は0.175上げ96.755となった。

原題:Spanish Bonds Fall Before Debt AuctionsThis Week; Bunds Advance(抜粋)U.K. Pound Gains After Construction OutputExpands; Gilts Rise(抜粋)

更新日時: 2013/11/05 08:00 JST

 
 
 
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