日韓関係は冷却の段階にある。韓国の実効支配下にある竹島(独島)の領土論争の熱は冷めていない。そして2番目の問題は過去の歴史の問題だ。ロシア科学アカデミー極東研究所の専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏は、韓国政権は日本は未だに朝鮮半島の植民統治時代に犯した誤りと罪を認めていないと捉えているとして、次のように述べている。
「両国間にあるこの過去の歴史はあまりにも大きい。韓国の政治家は日本はこの先も謝罪し続けねばならないと考えているが、これに対し日本側は、過去の償いは十分になされたと考えている。これは別の表現を借りれば、日本は蛇口から出る水を飲み干してしまったが、水道も作ったではないかというものだ。日本人は直接的な意味で水道をひき、下水を通し、高かった朝鮮半島の小児死亡率を下げようとした。日本の植民地時代、朝鮮半島では平均寿命が2倍に伸びたことは有名な話だ。だが同時に、植民地支配がもし、さらに20年続いたとすれば、朝鮮人の民族としてのアイデンティティーを根絶やしにされていただろうことも忘れてはならない。このため、どちらのサイドにも常に論拠は見つかる。だがこんにち、二国間関係から過去が消えてなくならないことは間違いない。過去数年で初めて、政治問題が経済関係や貿易取引高に否定的影響を及ぼすようになってしまった。」
この2国の関係で重要な役割を演じているのは米国だ。だがロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は、にもかかわらず、米国は米韓日のトライアングルのなかで必ずしも自国の路線をつらぬくことができていないと強調し、次のように語っている。
「安倍氏が日本の政権につき、韓国でパク・クネ政権が誕生することで、最高レベルでの対話が始まるのではとの期待があったが、まったくそうはならなかった。逆にパク大統領は両国の歴史問題では前の李明博政権よりもずっと強硬な立場をとり、軍事協力問題での妥協を全く許さない。日米韓のトライアングルは冷戦時代、ソ連と中国を抑止するために作られたものだったが、当時でさえ日本と韓国というラインは、明確でも定期的なものでもなかった。だが冷戦が終わると、日本と韓国を結んでいたラインは全く姿を消してしまった。米国はこの状況をもちろん非常に憂慮し、軍事政治上、東アジアで、アジア太平洋地域で最重要な2つの連合国を仲直りさせようとし、ことあるごとに対話を呼びかけ、妥協を模索せよといってきた。」
日韓の諜報情報の交換合意がいまだに合意に至っていないことから察するに、米国はこの件については常にうまくいくとは限らないようだ。