『ほこ×たて』でやらせ演出が発覚したフジ社員たちの言い分
週プレNEWS 11月5日(火)6時0分配信
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やらせが発覚したフジテレビ。かつての栄華はどこへやら。パッとしないイメージが定着してしまったのはなぜ? |
フジテレビの人気バラエティ番組『ほこ×たて』でやらせ演出が発覚した問題について、当のフジテレビ社員たちの間でも賛否の声が上がっている。
事の発端となったのは、同番組のスペシャル放送(10月20日)で行なわれた「スナイパー軍団vsラジコン軍団」。ラジコンヘリ、ラジコンカー、ラジコンボートを操る3人と、スゴ腕スナイパー3人による勝ち抜き戦で、放送では最後にラジコンボートが3人抜きをするドラマチックな展開だった。
だが、放送後にラジコンカーを操縦していた広坂正美氏がホームページ上でやらせ演出を告発。意図的に対決順を入れ替えていたほか、ラジコンカーも反則で撃ち抜かれたものだった。
また、同時に過去のやらせ演出にも触れており、2011年10月放送の「鷹vsラジコンカー」では鷹が追いかけやすいようにゆっくりと車を走らせ、昨年10月放送の「猿vsラジコンカー」でも猿の首に釣り糸を巻いて車を追いかけさせたという。
テレビ評論家の今井舞氏はこう憤る。
「『ほこ×たて』は深夜番組からゴールデンに昇格して以降、派手な演出に頼り、中身を水増ししていた。やっぱりなという印象」
これに対し、フジ社員たちの反応はというと……。
中堅ディレクターA氏が語る。
「正直、対決の順番を入れ替えたり、ゆっくりと車を走らせてもらうぐらいのことは日常的に行なわれている演出のひとつ。これをやらせと言われたらキツい。ただ、ラジコンカーを強引に負けさせたことと猿の一件はやりすぎ。モラル的に許されないでしょう」
一方、若手社員B氏はこう話す。
「フォローが甘かったんだと思う。過去に2回、ラジコンの人が“過剰な演出”を受け入れてくれたから、今回も大丈夫だとタカをくくっていたんじゃない? 丁寧に交渉すれば、こんな結果にならなかったはず。もったいない」
まるで運が悪かったと言わんばかりの口ぶり。ふたりともどこか他人事(ひとごと)である。
やらせといえば、07年に下請けの制作会社がデータを捏造して打ち切りになった『発掘!! あるある大事典?』(関西テレビ制作)が思い出されるが、『ほこ×たて』も制作会社に丸投げだった。
「現場が演出に頼りたくなる気持ちはわかります。今のバラエティ番組は、スタジオ収録に合わせてロケが組まれることが多い。それまでにネタを決め、ギリギリのスケジュールで撮影しないといけないんです。特に今回はアメリカまでロケに行っているから、制作会社としては『面白いものが撮れませんでした』とは絶対に言えない」(ある番組制作会社社員)
それにしても、フジテレビはここ最近、パッとしない。今年8月に放送された『FNS27時間テレビ 女子力全開2013』の「生爆烈お父さん」コーナーがBPO(放送倫理・番組向上機構)で問題視された。
「10年まで7年連続で視聴率三冠王だったのに……。今思えば、ケチのつき始めは11年の(韓流偏向)抗議デモだったのかな。あのとき、まともに対応していれば、ここまで嫌われることはなかったはず。当時は社内の誰もが、あれを視聴者の声だと思っていなかった」(前出・A氏)
上智大学新聞学科(メディア論)の碓井広義(うすい・ひろよし)教授が指摘する。
「フジの番組作りを見ていると、いまだに自分たちが時代をリードしていると勘違いしていて、さらに視聴者を見下しているフシがある。今回のやらせが顕著な例。過去の栄光にすがり、成功体験の権化みたいな人たちがトップに居座っている限り、体質はまだまだ変わらないんじゃないでしょうか」
事の発端となったのは、同番組のスペシャル放送(10月20日)で行なわれた「スナイパー軍団vsラジコン軍団」。ラジコンヘリ、ラジコンカー、ラジコンボートを操る3人と、スゴ腕スナイパー3人による勝ち抜き戦で、放送では最後にラジコンボートが3人抜きをするドラマチックな展開だった。
だが、放送後にラジコンカーを操縦していた広坂正美氏がホームページ上でやらせ演出を告発。意図的に対決順を入れ替えていたほか、ラジコンカーも反則で撃ち抜かれたものだった。
また、同時に過去のやらせ演出にも触れており、2011年10月放送の「鷹vsラジコンカー」では鷹が追いかけやすいようにゆっくりと車を走らせ、昨年10月放送の「猿vsラジコンカー」でも猿の首に釣り糸を巻いて車を追いかけさせたという。
テレビ評論家の今井舞氏はこう憤る。
「『ほこ×たて』は深夜番組からゴールデンに昇格して以降、派手な演出に頼り、中身を水増ししていた。やっぱりなという印象」
これに対し、フジ社員たちの反応はというと……。
中堅ディレクターA氏が語る。
「正直、対決の順番を入れ替えたり、ゆっくりと車を走らせてもらうぐらいのことは日常的に行なわれている演出のひとつ。これをやらせと言われたらキツい。ただ、ラジコンカーを強引に負けさせたことと猿の一件はやりすぎ。モラル的に許されないでしょう」
一方、若手社員B氏はこう話す。
「フォローが甘かったんだと思う。過去に2回、ラジコンの人が“過剰な演出”を受け入れてくれたから、今回も大丈夫だとタカをくくっていたんじゃない? 丁寧に交渉すれば、こんな結果にならなかったはず。もったいない」
まるで運が悪かったと言わんばかりの口ぶり。ふたりともどこか他人事(ひとごと)である。
やらせといえば、07年に下請けの制作会社がデータを捏造して打ち切りになった『発掘!! あるある大事典?』(関西テレビ制作)が思い出されるが、『ほこ×たて』も制作会社に丸投げだった。
「現場が演出に頼りたくなる気持ちはわかります。今のバラエティ番組は、スタジオ収録に合わせてロケが組まれることが多い。それまでにネタを決め、ギリギリのスケジュールで撮影しないといけないんです。特に今回はアメリカまでロケに行っているから、制作会社としては『面白いものが撮れませんでした』とは絶対に言えない」(ある番組制作会社社員)
それにしても、フジテレビはここ最近、パッとしない。今年8月に放送された『FNS27時間テレビ 女子力全開2013』の「生爆烈お父さん」コーナーがBPO(放送倫理・番組向上機構)で問題視された。
「10年まで7年連続で視聴率三冠王だったのに……。今思えば、ケチのつき始めは11年の(韓流偏向)抗議デモだったのかな。あのとき、まともに対応していれば、ここまで嫌われることはなかったはず。当時は社内の誰もが、あれを視聴者の声だと思っていなかった」(前出・A氏)
上智大学新聞学科(メディア論)の碓井広義(うすい・ひろよし)教授が指摘する。
「フジの番組作りを見ていると、いまだに自分たちが時代をリードしていると勘違いしていて、さらに視聴者を見下しているフシがある。今回のやらせが顕著な例。過去の栄光にすがり、成功体験の権化みたいな人たちがトップに居座っている限り、体質はまだまだ変わらないんじゃないでしょうか」
最終更新:11月6日(水)1時34分
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