平成13年11月6日 「選択的夫婦別姓制度」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨日、自民党国会議員有志の一人として、また、与党女性議員政策提言協議会・選択的夫婦別姓に関するプロジェクトチーム座長として、党三役(山崎幹事長・麻生政調会長、堀内総務会長)に対し、「選択的夫婦別姓制度」に関する申し入れをいたしました。上申内容は以下の通りです(賛同議員氏名については文末をご参照ください)。
臨時国会のスケジュールを逆算して、急ぎ(わずか2日間)取りまとめた署名でしたが、この別姓問題につき、世論的には絶対反対・抵抗政党と思われているわが自民党の中で、45名もの賛同議員を得られたことはそれだけで大きな成果だと思っています。この後も引き続き賛同者の輪を広めていくとともに、理想的な法案を上程できるよう、党法務部会で具体的な議論を早急かつ着実に積み上げていきたい、いただきたいと切望しています。 すでに、この「ひとこと」において触れたことでありますが、改めて、私が選択的夫婦別姓制度の導入を推進する理由を申し上げたいと思います。 希望すれば、夫と妻が別の姓のままでも入籍することができるのが「選択的夫婦別姓制度」です。その導入を求める声が仕事を持つ女性などの間で急速に強まっていることは、マスコミなどの報道で皆さんもよくご存知でしょう。内閣府が今年8月に発表した世論調査によれば、選択的夫婦別姓制度のため「法改正をしてもかまわない」とする人が42%で、反対した人の32%を上回りました。5年前の調査とは賛否が逆転しています。特に、結婚を控えた20代、30代では男女共に、8割前後が法改正を「容認」と回答しています。また、内閣府の諮問機関である男女共同参画会議基本問題調査会も先月11日、世論調査の結果に触れて「選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正が進められることを心から期待する」と取りまとめたほか、福田官房長官(男女共同参画担当大臣)や森山法務大臣も同制度導入に向けた民法改正に前向きな発言をし、状況は急速かつ大きく変化しています。 一般に思われている自民党内の根強い反対論についても、よくよく聞きただしてみると、「希望者のみの選択制」であることを知らない方や、「一人息子、一人娘」家庭が増えるなかでの結婚問題解消にもつながることを知らない方が大勢います。知識不足や無関心のゆえの一見反対論が多いのが現状なのです。 私たち与党女性議員・選択的夫婦別姓PTでは、さまざまな議論の末、(1)日本の氏制度は明治以降のもので長い歴史のごく一部にすぎず、家制度の消失した戦後、氏も個人の呼称になったと考えるべきこと、(2)個人の生き方が多様になり選択肢を増やすべきこと(諸外国ではもはや選択的夫婦別姓が主流である)、(3)現実問題として、一人っ子が増えている現在、このままでは氏が変わるために結婚できない人(その結果、子どもを産まない選択をするであろう人)が増えていくであろうこと、などを主たる理由として、同制度の導入を推進すべきであると考えています。 わが国の民法は、夫婦がいずれの姓を称しても良いと規定しています。問題は、夫婦が同姓であることを強制している点にあります。女性と男性の別を問わず、婚姻時の改姓強制により被る不利益(家名の継承やキャリアの継続の困難、精神的軋轢など)が歴然としている反面、選択的夫婦別姓を導入した場合に同姓夫婦の方々が感じる不都合とは何でしょうか。確かに、変化に対する恐怖心があるのかもしれません。しかし、私たち国民のあいだには今後も時代の変化によってさまざまな、新たな違いが生じていくことでしょう。そうした個人の思考や生き方の違いを区別することはあっても、差別しない社会のしくみを整えていくことが重要である、と私は考えます。 21世紀を迎えた日本が、社会の構成員に対してより意義のある選択肢を提供できる国家となることを目指し、私はこの選択的夫婦別姓制度の導入に取り組んでいます。私は、選択制導入が少子高齢化で硬直したわが国に必要不可欠な、社会の構造改革を促す道であると強く確信しています。 党三役申し入れ賛同者一覧(順不同、敬称略)
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平成13年11月6日(火) |