パキスタン:米無人機攻撃で「タリバン」最高指導者殺害か

毎日新聞 2013年11月02日 10時47分(最終更新 11月02日 16時26分)

ハキムラ・メスード容疑者=2008年11月、AP
ハキムラ・メスード容疑者=2008年11月、AP
ミランシャ−の位置
ミランシャ−の位置

 【ニューデリー杉尾直哉】パキスタンの治安当局者によると、国内最大の武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の最高指導者ハキムラ・メスード容疑者が1日午前7時(日本時間同11時)ごろ、アフガニスタン国境に近い北ワジリスタン管区ミランシャーの郊外で米国の無人空爆機の攻撃を受け、死亡した。一緒にいた3、4人の側近らも殺害されたという。AP通信によると、米高官もメスード容疑者の死亡を確認した。

 TTPは昨年10月、パキスタンの少女マララ・ユスフザイさんを銃撃した組織。パキスタンのシャリフ首相は10月31日に「タリバンとの和平協議を始めた」と表明したばかりだった。メスード容疑者の殺害が事実であれば、タリバンの報復攻撃の激化が予想され、和平は遠のきそうだ。

 メスード容疑者はパキスタン国内で数々のテロを指揮し、数千人を犠牲にしてきたとされる。年齢は30代半ばだが、武装勢力の間ではカリスマ的な支持を得ていた。

 TTP初代指導者のベイトラ・メスード容疑者が無人機空爆で暗殺されたことへの報復として、2009年12月、アフガニスタン東部の米軍基地に自爆攻撃をしかけ、米中央情報局(CIA)職員ら米国人7人を殺害。

 2010年5月にニューヨークのタイムズスクエアで起きた自動車爆弾テロ未遂事件の首謀者ともされる。米政府はメスード容疑者拘束につながる情報に500万ドル(約5億円)の報奨金をかけていた。過去に2度、無人機空爆などによる「死亡」情報が流れたが、誤報だった。

 一方、メスード容疑者殺害の情報が流れるのに先立ち、パキスタン外務省は1日の無人機空爆について「主権侵害であり、無人機攻撃は停止すべきだ」との声明を出していた。

 先月訪米したシャリフ首相は、オバマ米大統領との会談で無人機空爆の停止を改めて訴えていた。その後も無人機攻撃が続いていることで米・パキスタン関係がぎくしゃくする可能性がある。

 メスード容疑者は先月、パキスタン北西部で英BBCのインタビューに応じ「パキスタン政府との和平の用意がある。無人機空爆の停止が条件だ」などと語っていた。インタビューは屋外で行われ、その間、無人機が上空を飛行していたといい、米国はメスード容疑者を監視していたとみられる。

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