天安門車突入:政治局会議、自治区トップを激しく批判
毎日新聞 2013年11月04日 23時54分(最終更新 11月05日 00時01分)
【台北・鈴木玲子、北京・工藤哲】北京の天安門広場で起きた車両突入事件は4日で発生から1週間を迎えた。中国政府はウイグル族によるテロと断定する一方、対応を急いでいる模様だ。香港紙「明報」は3日付で、新疆ウイグル自治区トップの張春賢(ちょう・しゅんけん)共産党委書記(政治局委員)が事件翌日の10月29日に北京で開かれた政治局会議で、出席した指導部メンバーから激しい批判を受けたと伝えた。公安部門担当の国務委員、郭声琨(かく・せいこん)公安相も「空前の(政治的)圧力を受けている」という。
報道によると、張書記は「問題は芽が出た状態のうちに取り除く」という新疆政策が不十分だとして批判されたという。また郭公安相はテロ対策の指導グループのトップを務めており、責任を問われている模様だ。
張書記は、2009年7月に自治区で起きた大暴動を受け、王楽泉(おう・らくせん)書記(当時)の後任として10年に自治区書記に就任。比較的柔軟な少数民族政策を打ち出しているとされてきた。
さらに明報によると、在外ウイグル人組織の報道官が「事件後、新疆では既に50人が逮捕された」と語った。また、突入して死亡したウイグル族3人のうち女性1人が妊娠していたという。
一方、中国外務省の洪磊(こう・らい)副報道局長は4日の定例会見で、国外から中国の民族政策に対する批判などが出ていることについて「中国の民族・宗教政策を侮蔑するもので、テロ主義者を容認することだ。強烈な不満を表明する」と反論した。