都市機能を壊滅させる首都直下地震に、巨大津波が襲う南海トラフ連動地震。2011年3月の東日本大震災に続く未曾有の天災に警戒感が高まる一方、地震と密接な関係がある火山も不気味な動きを見せている。5月に入ってから、環太平洋火山帯に属する世界各国の火山が相次いで噴火したり、活動を活発化させたりしているのだ。この火山帯には実は日本列島も含まれる。富士山も無縁ではないようだ。
北米、南米、日本列島と太平洋の周囲をぐるりと帯状に広がる環太平洋火山帯。太平洋プレートを中心とする海洋プレートが、その周辺のプレートの下に沈み込むことで形成された火山列島や火山群が集まる地球の“火薬庫”のような一帯だ。
過去に起きた超巨大地震、マグニチュード(M)8・6以上のほとんどが集中するこのエリアで、いま異変が起きている。
「今年に入って環太平洋火山帯に位置する火山が立て続けに噴火や活動を活発化させている。その分布範囲も広く、東南アジアから北米、中南米にまで及んでいる」(地震学者)
最近の例を挙げるだけでも、5月7日にフィリピンのマヨン山(標高2462メートル)が噴火し、8日に中南米エクアドルのトゥングラワ山(5023メートル)が活動を活発化。13日には米アラスカ州南部のパブロフ山(2519メートル)、その翌14日には中南米メキシコのポポカテペトル山(5465メートル)が噴煙を上げた。