ドイツ:ナチス略奪の絵画見つかる ピカソやマチスなど
毎日新聞 2013年11月05日 10時27分
【ベルリン篠田航一】ドイツ南部ミュンヘンのアパートの一室から、1930〜40年代にナチス・ドイツがユダヤ人らから略奪したとみられる絵画や銅版画など約1500点が見つかった。ピカソ、シャガール、マチスなどの作品も含まれ、総額10億ユーロ(約1300億円)の価値があるという。独誌フォークスが3日報じた。
絵画は2011年、税務当局が脱税事件の捜査過程でこの部屋を家宅捜索した際に発見された。部屋の所有者の男(80)の父親がナチス幹部と親しかった美術商で、数多くの絵画を所有していたという。いずれもユダヤ人らから略奪した作品とみられ、半世紀以上、アパートの薄暗い室内に、雑貨や瓶などのがらくたと一緒に保管されていた。鑑定の結果、最近になってピカソなど著名画家の「本物」が多数含まれていることが判明した。
男は長年にわたり絵画を少しずつ売りさばきながら、生活費を稼いでいたという。
独ユダヤ人中央評議会のグラウマン会長は独誌に「絵画の正当な持ち主を探し出すべきだ」と述べている。