原発事故:Q&Aで読む…東電を破綻させない、その訳は?
毎日新聞 2013年11月05日 06時50分(最終更新 11月05日 08時44分)
A 実は、会社更生法適用などで債務を整理し、経営を再建できれば、東電にとってはより良いシナリオになるかもしれないのです。破綻処理すれば、東電の負担は、その時点で資産を処分して払える分に限られ、あとは税金などでまかなうことになります。国の負担を嫌う財務省などは、こうした事態を避けるため、「東電を生かさず殺さず」という今の支援枠組みを作りました。ただ、事故処理費用が膨らみ、東電だけに負担させる限界も見えてきました。東電を完全に廃業させれば、電力供給や事故処理が混乱しかねないという事情もあります。
◇Q これからどうなるの?
A 第一に考えるべきは、被災者支援や事故処理の迅速化です。自民党は、東電の業務のうち、廃炉や汚染水処理などを分離し、事業を加速することを提案。東電は、廃炉事業などの社内分社化の検討を始めましたが、国費を投入することになれば、東電はリストラなど一段と身を切る覚悟を迫られます。今後、東電の組織形態の抜本的な改革も議論されるでしょう。