2013年11月5日21時54分
朝日新聞社は、シリーズ「核といのちを考える」の一環として、シンポジウム「核燃料サイクルを考える~日本の選択はどうあるべきか」を開きます。被爆国日本の原子力政策を巡り、核兵器に転用可能なプルトニウムを利用する核燃料サイクルのあり方について多角的に議論します。米プリンストン大学と共催。
◇12月5日(木)午後1~6時、浜離宮朝日ホール・小ホール(東京都中央区築地5の3の2 朝日新聞東京本社内)
◇基調講演=アリソン・マクファーレン・米国原子力規制委員会(NRC)委員長=写真
◇パネル討論▽第1セッション(プルトニウム利用と核不拡散)=佐藤行雄・元国連大使、川口順子・元外相、スティーブ・フェッター・前ホワイトハウス科学技術政策局次長
▽第2セッション(再処理の経済性と安全性)=鈴木達治郎・原子力委員長代理、山名元・国際廃炉研究開発機構理事長、クラウス・ヤンバーグ・核技術コンサルタント、ゴードン・トンプソン・米国資源・安全保障問題研究所長
▽第3セッション(核燃料サイクル、廃棄物処理の社会的問題)=増田寛也・元総務相、古川元久・元国家戦略担当相、フランク・フォンヒッペル・プリンストン大学名誉教授、ウィリアム・ウォーカー・セントアンドルーズ大学教授
◇300人、無料。郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を書き、〒530・8211(住所不要)朝日新聞大阪社会部・核シンポ係(はがきか、FAX06・6232・2347、メールsq-sybox@asahi.com)へ。11月22日必着。聴講券をお送りします。
■参加者のプロフィール
〈アリソン・マクファーレン(Allison M.Macfarlane)〉 核廃棄物問題の専門家。地質学者。ジョージ・メイソン大学准教授(環境科学政策)を経て、2012年7月に米国原子力規制委員会(NRC)委員長に就任。同年8月、核燃料の最終的な処分法を明確にしない限り、原発の新設や延長稼働を認めない方針を打ち出した。10~12年まで、核燃料サイクルの見直しを勧告するオバマ政権のブルーリボン委員会委員を務めた。
〈佐藤行雄(さとう・ゆきお)〉 外務省北米局長などを経て1998~2002年に国連大使。核ゼロを目指して世界の有識者が参加した「グローバル・ゼロ」(GZ)委員会に加わる。03~09年に日本国際問題研究所理事長。現在は同副会長。
〈川口順子(かわぐち・よりこ)〉 小泉政権時代の2002~04年に外相。環境相も務めた。核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)でエバンス元豪外相と共同議長を務める。今年7月、参議院議員を引退。明治大学国際総合研究所特任教授。
〈スティーブ・フェッター(Steve Fetter)〉 メリーランド大学副学長。オバマ政権の2009~12年にホワイトハウス科学技術政策局次長(国家安全保障担当)。核不拡散やエネルギー問題が専門。プルトニウムを増やす日本の再処理には批判的立場をとる。
〈鈴木達治郎(すずき・たつじろう)〉 2010年から内閣府原子力委員会の委員長代理。原子力政策やエネルギー環境政策、科学技術政策に詳しい。08~10年、核廃絶をめざす科学者の集まり「パグウォッシュ会議」評議員。元電力中央研究所研究参事。
〈山名元(やまな・はじむ)〉 京都大学原子炉実験所教授。今年8月に国際廃炉研究開発機構が発足し、理事長に就任した。1981~96年、旧動力炉・核燃料開発事業団で再処理開発や先進リサイクルシステム開発に従事。著書に「放射能の真実」など。
〈クラウス・ヤンバーグ(Klaus Janberg)〉 核技術コンサルタント。ドイツの再処理会社「DWK」の子会社で輸送・貯蔵兼用のキャスク技術の開発を指揮し、使用済み核燃料の乾式貯蔵普及に努めた。核燃料サイクル路線と直接処分路線とのコスト比較に詳しい。
〈ゴードン・トンプソン(Gordon Thompson)〉 米国の資源・安全保障問題研究所長。クラーク大学上級研究員。英国セラフィールド、仏ラ・アーグなどの再処理工場での放射線リスクについて研究。六ケ所村の再処理工場の問題点も指摘している。
〈増田寛也(ますだ・ひろや)〉 2007~08年に安倍・福田内閣で総務相。07年まで岩手県知事を3期務めた。総合資源エネルギー調査会・放射性廃棄物小委員会の委員長。09年から野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授。
〈古川元久(ふるかわ・もとひさ)〉 民主党衆議院議員。2011年秋から野田内閣で国家戦略担当相、内閣府特命担当相を務め、「30年代に原発ゼロを目指す」とする政府の新方針「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめる上で中心的役割を果たした。
〈フランク・フォンヒッペル(Frank von Hippel)〉 プリンストン大学名誉教授。核物理学者。18カ国の研究者が参加する「核分裂性物質に関する国際パネル」(IPFM)の共同議長を務める。今年夏、朝日新聞に日本の「脱再処理」への処方箋を提言した。
〈ウィリアム・ウォーカー(William Walker)〉 英国のセントアンドルーズ大学教授。国際的な原子力政策を研究してきた。著書に英国の核燃料再処理工場をテーマにした「核の軛(くびき)~英国はなぜ核燃料再処理から逃れられなかったのか」など。
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朝日新聞社会部
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