セレッソ大阪:女性ファン急増中 「イケメン」おもてなし

2013年10月26日

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練習場に集まった女性サポーターにサインをするセ大阪の柿谷選手(左)=大阪市内で、中村有花撮影

 「カープ女子」ならぬ、「セレッソ女子」が急増中−−。サッカー・Jリーグ1部、セレッソ大阪の若手選手に女性ファンが熱い視線を送っている。練習場には若い女性を中心に、多い時で500人超が訪れ、「セレ女(じょ)の舞洲(まいしま)詣で」と呼ぶ人も。プロ野球・広島の応援席で赤いユニホームをおしゃれに着こなした「カープ女子」が目立つように、スタジアムで「セレ女」が男性サポーターを圧倒する日も近い?

 平日午後。JR桜島駅(大阪市此花区)で下車し、練習場のある同区の舞洲行きバス停に向かうと、クラブハウスに向かう10~20代の女性が長い列を作る。お目当ては日本代表の柿谷曜一朗選手(23)や山口蛍選手(23)ら、サッカー雑誌の人気投票で上位に名を連ねる「イケメン選手」たちだ。

 今季の開幕直後は訪れる人はまばらだったが、柿谷選手らが活躍した7月の東アジア・カップを境に、ファンが急増。平日でも200人を切ることが珍しくなった。練習見学後、柵で仕切られた約100メートルのファンサービスゾーンに移動し、選手からサインをもらったり、記念撮影をしたりして交流を深める。

 ファンサービスはほぼ毎日実施しており、柿谷、山口両選手は代表遠征から帰国した当日ですら、欠かさなかった。時差ぼけもあり、眠そうな顔をしながらも山口選手は「遠征で自分がいない間に来てくれていた方もいるでしょうし……」と当然と言わんばかりだ。常に明るい笑顔で接する丸橋祐介選手(23)は隠れた人気者だ。

 大阪府和泉市の予備校通いの女性(19)は「ファンを大事にしてくれるところが魅力」と明快。18歳の女子高校生は「ここに来るのは4回目。選手はみんな優しく接してくれるし、サッカーの面でも良いところが分かってきた」と目を輝かせた。OBでチームアンバサダー(広報大使)を務める森島寛晃氏がファンを大事にしたことで知られるように、「おもてなし精神」はクラブの伝統でもある。

 女性の応援もあり、観客動員は好調。キンチョウスタジアム(長居球技場)での主催試合はチケット完売が続き、入場者数は1試合平均で過去最高の1万7739人を記録(26日現在)。優勝争いした2005年以来の年間30万人突破は確実だ。スタジアムでは、チームカラーのピンクを基調にした応援グッズで観戦ファッションに工夫を凝らす「セレ女」も。女性ファンの開拓は、観客動員面で苦戦するJリーグの現状打開のヒントにもなりそうだ。【中村有花】

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