川崎重工業が供与した日本の新幹線技術をベースにした中国高速鉄道車両「CRH380」型(河崎真澄撮影)【拡大】
【上海=河崎真澄】中国が高速鉄道の輸出を働きかけているタイとの間で、契約にこぎつけた場合、車両代金など一部をコメや天然ゴムなどタイ産品との“物々交換”で決済する方向で調整していることが、関係者の話で4日明らかになった。
農産物の輸出を増やしたいタイの思惑に、中国が“経済外交カード”を切った格好だ。ただ、中国の高速鉄道は日本企業が「中国国内限定」で供与した新幹線技術をベースに造られており、輸出は契約違反にあたる疑いがある。
タイはバンコクと北部のチェンマイなどを結ぶ4路線で、海外の技術を導入して高速鉄道を整備する計画で、早ければ来年にも国際入札を行う。日本や独仏勢も関心を示している。
李克強首相は10月のタイ訪問時に、路線の総延長が9月に1万キロを突破した中国の高速鉄道をアピールした。