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トップページ > 神代ふみあき書庫 > 非赤松椎名系作品 > 歌う恋姫無双物語 > 第三十四話 みんな少しずつ変わってきちゃって・・・
肉の宴を越えて、私は生き残りました。
一月あまりで何人の女性と交わったのか不明だけど、でも、不満を感じない程度にはお付き合いさせてもらったと思う。
これも男子の宿命言うことでがんばりましたよ、ええ。
なにせ、相手は私が愛しいと感じる相手だもの。
だったら、それならば、ご先祖様もびっくりなほど子沢山居なってみせる!
・・・体力の限り。
というわけで、色々とみんなとお付き合いしつつ、義弟たちとも話し合い、逃げるばかりでは進まないと、一歩踏み出すことに決めた。
というか、約一名、倫理面での問題がないわけじゃないので要相談なんだけど。
それはさておき、莢華。
益州の魔乳達とお付き合いを始めました。
魔乳筆頭以外乙女だったらしく、それなりに新鮮で斬新だったそうですが、やはり魔乳。
魔乳長姉、黄漢升は淫楽に耽りそしてその深みは底知らずとか。
魔乳次姉、厳顔はその性、豪快崩落にして乙女、嫉妬は夜の回数に跳ね返るとか。
魔乳三女、魏文長はツンデレ。ただし感じやすく達しやすく、そして武人らしくこれも底抜け。
一晩に三人を相対した初日、莢華は死人の体で私の天幕に現れた。
やりとげた、とつぶやいた倒れたので、私が飲んでる薬湯をのませたら、一瞬にして目を覚ました。
「兄上! こ、こ、こ、この薬は何ですかぁ!?」
「ああ、桂花、荀文若が商人経由で手に入れてくれた精力剤だけど、何かおかしい?」
「・・・一口飲んだだけで、枯れ果てた我が身に火が灯ったかのようです」
そっか、飲み始めはそう言うものだよねー。
でも常習者の私には、もうそこまでの威力はないのです。
「・・・兄上、無理をなされるな」
涙ながらに私にすがりついた莢華だけど、捜索に現れた魔乳三連星に発見されて、連れ去られた。
未だ妊娠の自覚がないので、もうちょっと顔かせや、ということらしい。
「兄上ぇぇーーーー!」
「薬湯送ってときますんで、試してみてください」
「「「ありがとうございます、劉玄徳様」」」
さらばー、と手ぬぐいを振ってから隣室で寝ている顔良と文醜、斗詩と猪々子をちょっと覗いてみた。
いまだ幸せそうに二人が抱き合っているのを見て、ちょっと満足。
そんな私は、やはり変わったんだろうと思う。
最初は、こう、子種ばかり狙われている気持ちが大きかったんだけど、一人一人と話したり、歌を歌ったり、そして抱きしめると、うん、違ってるんだ。
想いの深さとか、想いの方向とか。
私と一緒じゃないけど、でも真剣でまっすぐで。
そう言う子って、私はすぐに好きになってしまうらしい。
そう言う意味では、我が嫁、公孫伯珪こと白蓮の目は確かなものであり、彼女の言葉は正しかったのだ。
ああ、本当に、まったく。
変わったと言えば、何皇后。
協陛下との日々のスキンシップで性欲が昇華したらしく、今では子煩悩なお母さん状態になった。
これには義弟も安心し、にこやかな笑みを浮かべているのだが、その笑顔を見て、悪い虫が時々騒ぐ模様。
この越えてはならない壁をいつ越えることになるのかが宮中内での賭になっているというのだから緩い綱紀だ。
まぁ、嫌いじゃない緩さだけど。
もう一つ変わったこと。
それは「愛し合うこと」の心の問題。
男子出産に関して呪いのような宿命を背負う劉家とは違い、一般の夫婦間でも「愛し合う」心で、思いの高まりで男子が生まれやすくなると言うことが庶人の中でも広まってきた。
いとおしいと思う、そんな気持ちが実を結ぶんだって何度も何度も歌ってきた成果だと私は思っている。
そんなわけで、それなりに生活的な余裕が出てきた私は、楽器を片手にとる、そんな時間を持つ事ができるようになってきた。
~「changes」 Base Ball Bear
姉上が歌っている。
ギータ三号を片手に、天幕の入り口で。
耳ざとく孫尚香殿、小蓮殿がリズムを刻みにやってきた。
義妹鈴々も楽器を手にしている。
姉上の周りには何時でも音楽の空気が流れている。
姉上の、劉玄徳の隣に立てば、体はリズムを刻む。
姉上の隣に立てば、歌が生まれ心を揺さぶられる。
私は、我が子と共に変わってゆくのだろう。
私は、天河の歌姫姉妹と共に変わってゆくのだろう。
私は、武遍の女であったが、いま、愛と姉上を体に刻まれ、そして歌も歌える女になった。
旅芸人を嫌悪していたはずなのに、いまでは天河の歌姫姉妹などと並び表されているほどだ。
私は変わった。
世界も変わった。
姉上も、そして姉上に思いを寄せた方々も変わった。
聞けば蓮華様が解任の兆候を得たとか。
それを聞いて孫堅様は、至宝を得たと大喜びで、孫家の次世代は男ばかりになるやも知れないと、宴席で泣きながら喜びを口にしたとか。
加え、石柱、黄蓋殿、祭殿も妊娠したときき、孫堅様も子種をもらえれば、おもしろい家族構成になるな、と笑っていたとか。
孫と娘が同い年とか、やめた方がいいのではないかと、それ那智の立場にある方々が、本気で止めたというのだから、そのときの目の色を見てみた行きもする。
治世の王を嘱望された蓮華様の妊娠で、呉勢が大いに盛り上がり、肖りたい肖りたいと豪族が大挙をなしたらしいが、愛無き交わりに意味はなしと切り捨てられた事が後を引かなければいいが、と心配してしまう。
「だいじょーぶよ、愛紗。孫家筆頭の男子のほかに、幹部のほとんどで男子出産を控えているのよ? 自分の立場を考えれば、絶対に取り込むために孫家、いや桃香の機嫌を損ねないようにするに決まってるわ」
にっこり顔で現れたのは雪蓮様。
「雪蓮様、閨番復帰は孫堅様の許可をとってから、と何度もお話ししていますが?」
「そこを何とかしてよぉ~~、もう、桃香なしでは生きられない体なのよ~~!」
この方も随分変わったけど、根っこの部分は変わっていないと周瑜、冥琳殿とは打ち合わせがすんでいる。
「御反省召されることを、その真摯な態度をとりつつも評価されることを祈ります」
「・・・愛紗のけちんぼ!!」
なんだろう、冥琳殿の苦労が、思いっきり理解できてしまう。
「雪蓮殿、私も孫家筆頭の雪蓮殿が仲間外れにされている状況をよく思っているわけではありません」
「・・・愛紗」
「せめて冥琳殿を説得なさいませ。大提督の意見ならば孫堅様も動きましょう」
「・・・うん、ありがとうね、愛紗!」
眩しいばかりの笑顔を浮かべて、勝てぬ戦に向かう雪蓮様。
すみません、ごねたら冥琳殿に流すのは決まっていたのですよ。
これからは孫家筆頭軍資の仕事ですので、後はよろしくお願いしますよ、大提督。
~「Clover」 Marhy
お姉ちゃんの妊娠で、俄然やる気倍増の孫尚香です。
そんなわけで、雪蓮お姉さまが抜けている呉家閨番の穴を埋めるべく下地活動中の中、やはり桃香様は他を歌われる。
その歌が激しい場合もあるけど、今みたいに、語りかけるような、優しさがあふれ出すような、乙女心を直撃するような、そんな愛の歌が多い。
~君に会えたから、良い夢が見られそうだ
出会いを胸に秘めて夜闇を思う。
なんて甘い詩文だろう。
これを桃香様の声と歌で奏でられてしまうのだ。
絶対に夢なんか見させてもらえないこと請け合いだ。
というか、桃香様って自分で自分の首を絞めてますよねぇ。
閨番の日々が厳しいのって、こういう甘い声を聞かされてしまい、燃え上がった女性にやられちゃってるからなのは解らないのだろうか?
少なくとも、あの朱里も雛里も政務が忙しくて聞きにこれなかった後の閨番は、少し歌ってもらうそうだ。
聞けば元気百倍、大暴走とか。
いいな~。
私も速く加わりたいなぁ。
んー、お母様の許可を速く取り付けないと。
少なくとも男子継承の問題を蓮華お姉さまが解消してくれたんだから、継承権で問題が発生しない私は、愛と恋に生きることが許されているはずだもの。
というか、桃香様の嫁って、なんとなく本能的に私って思ってるんだけど、何でかしらね?
それはともかく。
雪蓮姉様が復帰したら絶対に無茶する。
これはみんなが感じている既定路線。
だから、お姉さま復帰前にがんばらないと!
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