プロ野球の「コナミ日本シリーズ2013」はKスタ宮城で第7戦を行い、セ・リーグを制した巨人はパの覇者・楽天に0―3で敗れ、1973年のV9以来となる2年連続日本一を逃した。まだまだ“無敵巨人”には足りなかったということか、早速大型補強への動きが明らかになった。狙いはブルージェイズをFAとなった川崎宗則内野手(32)と、FA権を取得し去就が注目されている広島・大竹寛投手(30)。オフの“争奪戦”では負けるわけにはいかない。
絶対エース・田中を見事に攻略して逆王手をかけた勢いも、一夜でしぼんだ。第3戦に続いて、美馬にしてやられ、1973年にV9を達成以来となる連覇を逃した。
シリーズ中に亡くなった川上哲治氏に勝利を報告するという願いもかなわなかった。星野監督の胴上げを見せつけられた原監督は「力を出し切って、こういう結果になった。主導権を握った形で試合を運ぶことができなかったのは、ウチと相手の先発投手の差。それでも選手は粘りの中、全力で戦った。連覇に向けた戦いをしたが、まだまだジャイアンツは途上です」と言葉を絞り出した。
もちろん今年の雪辱は来季、果たさねばならない。そのためにも、このオフは巨人らしい大型補強に動く。
野手に関しては、メジャー2年目となった今季、ブルージェイズで96試合に出場し、打率2割2分9厘、1本塁打、24打点の成績を残した川崎に照準を合わせている。巨人にとって二塁は大きな補強ポイント。今季は右の中井が急成長し、日本シリーズでも寺内が活躍した。だが、不動のレギュラーにはまだまだで「左(打ち)のセカンドは欲しいところ」(球団関係者)という事情もある。
川崎の獲得は、坂本のバックアップという狙いもある。坂本は今季、夏場以降に極度の不振に陥った。また右足痛という問題も抱えているが、現状は「勇人の代わりはいない」(チーム関係者)。川崎が加われば、坂本のカバーもでき、打線の厚みも増す。若手内野手への刺激にもつながるなど、メリットは多い。
原監督と川崎は2009年のWBCで指揮官と選手として接している縁もある。当時から原監督は川崎の明るさを買っており「負けが込むとすぐムードが暗くなる」(球団関係者)チームを変えてくれる人物としても期待されている。
投手で調査を続けているのは、今季2年連続2桁勝利となる10勝を挙げ、広島のクライマックスシリーズ(CS)初進出に貢献したベテラン大竹だ。今季、チームは右の先発不足に苦しんだ。開幕投手を務めた宮国は再三、チャンスを与えられながら、二軍落ちを繰り返すなど結果を残せなかった。澤村もシーズン途中に中継ぎに降格。右投手で結果を残したのはルーキーの菅野だけで、大竹を獲得すれば、右投手の不安は解消する。宮国の成長を促す効果も期待できる。
来季の日本一奪回、そしてチームの将来のために、川崎と大竹は獲得したいところ。巨人は全力で補強実現に動く。
一宮競輪開場63周年記念(GⅢ・毛織王冠争奪戦)は29日、決勝が行われ、関東3番手にいた長塚智広が、猛然と迫ってきた浅井康太に伸び勝って優勝を手にした。