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第十話 召抱えられて、再び

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 非赤松椎名系作品 > 歌う恋姫無双物語 > 第十話 召抱えられて、再び




 

過去にない新鮮な猫耳登場ですw


第十話 召抱えられて、再び

 山賊狩りをしていないせいか、結構平和な日々。
 歌を歌ってご飯を食べて、練習したり新曲書いたり、で歌ったり。

 村から村へ、町から町へ。

 ふらふら旅しているつもりだったんだけど、なんか私たちの歌姫姉妹の偽物が出回っているらしい。
 さすが中華、と思ったのは仕方ないでしょうねぇ。

 どの辺にいるのかなぁ、と思っていたら、いましたいました、・・・目の前に。

 嫌な感じの歌と歌詞で、絶対に似てないのに私たちの名前を名乗っているのがムカつく。

「桃香様、下手ですねぇ?」
「下手よねぇ?」

 微妙な空気の中で囁きあうと、どうやら向こうに聞こえていたらしい。

「て、天河の歌姫姉妹に向かって、その口の効き方、無礼って奴を教えてやんよ!!」
「そ、そうだ! うちらに無礼だ!」
「ゆるせんぞ!!」

 いるいる、名前で何とかしようってバカ。
 でも、まぁ、腕っ節だけでもまけないって。






 桃香様が無手で五人の無頼を気絶させた。
 全員を縛り上げた後、周々に担がせていた楽器「ぎーた三号」を手に取ってみせる。

「歌ってのはね、歌いたいときに歌う」

 ピーン、と澄んだ音が周囲に響きわたった。
 ああ、これはいつもの合図。
 桃香様が「歌う」と決めた合図。

「・・・それが歌ってもの!!」

 このでだしで伴唱を求められるこれは、



~「夜明け生まれ来る少女」高橋洋子






 歌いきると、周囲の庶人は声を上げ、縛り上げられていた者たちは涙を流していた。
 二曲目にいこうかな、というところで、首筋に刃物が当てられた。

 あちゃー、見つかっちゃった。
 まぁ、仕方ないんだろうけど。

「・・・私の筆頭文官さん。休暇は満喫したかしら?」
「華琳様に捧げる歌、聞いてもらえた?」
「あら、一曲だけなの?」
「実はもう一曲あるんだけど、聞いてもらえる?」

 私のその言葉にあわせて、すっと刃物が離れた。
 んじゃま、伴奏は足りないけど、勢いで押しますか!

「んじゃ、里帰りの時の華琳さんの内心を思って・・・」
「な・・・!」



~「You are the one!」高橋洋子







 歌姫姉妹が城下にきているときいてみてみれば、全くの偽物。
 本気で殺意がわくほどの下手さ加減で気が狂うかと思った。
 だから、秋蘭に命じて討たせようかと思ったら、我慢できなかったのは私だけではなかった。
 名を汚されたとかそういうことではないのだろう。
 ただ、歌いたくなった、そう言うことなのだと私にはわかった。

 それが歌う歌詞は、まるでせき立てられるようにいきる私を思わせるものがあった。
 なるほど、これが里帰りの成果、なのかしら?
 そんな思いを込めて「絶」を「それ」の首に当てると、すでに私の存在を把握していたらしく、全く焦ることもない口調で受け答え。
 最後には、私の心根を想った歌だなんてバカなことまで言い出す始末。

 まったく、この子は、本当に、もう。

 ・・・そんなに分かりやすいかしら?






 なるほどと思わされた。
 華琳様から桃香の歌が素晴らしいと聞いてはいたが、確かに素晴らしいものだった。
 はじめの曲は、そう、このこの町「陳留」に赴任してきた時を思わせるものがあった。
 あの初日の夜、我ら姉妹と華琳様が誓った平和への想い、それを思わせる、そんな歌だった。
 まさに、己の心情を歌われているかのごとくに、だ。

 二曲目は些か穿ってはいるが、それでも心に訴えるものがあり、かなり揺さぶられてしまったと言えるだろう。

 加え、三曲目。
 これには参った。


~「目を開けて最初に君をみたい」中島みゆき


 これほど我ら姉妹の心を歌った歌はないだろう。
 お早うからお休みまで華琳様を思う我らを歌いあげたと言ってもいい。
 なんという名曲なんだと、本気で感動してしまった。
 というか、何回か聞きたいな、姉上とともに、うん。

「ところで桃香。戻ってきてくれるのよね?」
「えー、っと、そのぉ・・・」
「戻るの? 死ぬの?」
「も、も、もどりまーす♪」
「あーーー、桃香様。うちはー?」

 小柄な美少女が半分怒ってる。

「君は?」
「はい。桃香様の弟子の孫尚香と申します」

 思わず眉を寄せてしまった。

「あら、もしかして、孫呉の?」
「はい。虎の三女でございます」

 ぺこりと頭を下げる姿は、かわしいものだった。

「あなたも来る?」
「桃香様の直参でしたらお願いします」

 ふむ、孫呉の監視役。
 つまり、ずいぶんと孫呉では気に入られたみたいだな、桃香。

「・・・あははは」

 ん?もしや、知られたのか?

「・・・あははは」

 思わず面白そうに微笑む華琳様。
 これは暫く楽しめそうだな、うん。







 しばらく、再び、華琳さんのところでお世話になることになったんだけど、すんごく怒られた。
 離れるのはいいけど、せめて身の安全ぐらい知らせろ、と。
 まぁ、確かに。
 でも、知らせると地の果てまで追いかけられそうな気がしてたんですけどねぇ。

「あら、そんな事しないわよ。ただ・・・」
「ただ?」
「人相書きをまいて、賞金かけるぐらいかしら?」
「こわ!」


 まぁ、それはさておき。

 新しく軍師を雇ったそうで、その名も・・・

「荀イク、真名は桂花よ」

 ぶんぶん握手で自己紹介されてしまった。
 聞けば、戦にでる前に自分の命を掛け金に華琳さんを試して気に入られたとか。

「胸の貧しい人に悪い人はいないわ! これからよろしくね!!」

 あー、もしかして、知らない?
 そう思って華琳さんをみると、実にうれしそうな顔でほほえんでるし。
 まったく、この人は、「S」なんだから。
 もちろん、「シスター」のSじゃない方。

「天河の歌姫姉妹、噂は聞いてるわ。期待してるわよ」

 というわけで、桂花さんといっしょに仕事をすることになったんだけど、この人って、基本攻撃的で、さらに言えばトゲのある政策が得意ときてるもんで、官僚から評判が悪いこと悪いこと。
 だから、古くからいる官僚は、どうしても私に相談にきてしまう。
 もちろん、仕事のしきりは軍師に回すけど、細かい案件は私に回してもらえるように交渉したり、官僚の愚痴を聞いて問題点がないか精査したり・・・。

 ・・・異常に忙しいよ、ほんとに。

「桃香、きいてるの! あのくず官僚たちの肩もつってことは、私との友情はおしまいなのね、そうなのね!?」

 あー、桂花さん、酒癖悪いなー。

「・・・こんなに気持ちよく仕事させてくれるのは桃香だけなのよ、捨てないでぇ・・・」

 今度は泣き上戸。

「あー、劉備様。そろそろ看板でして・・・」
「あ、うん、じゃぁ『これ』は持って帰るから」
「申し訳ございません」

 というわけで、三日に一度の愚痴大会はこうして終わったのでした。

 ところで、いつの間にか桂花さんと親友になっているのは何故でしょう?

というわけで、歌う恋姫無双物語でした。

曲が気になる方は、iTuか何かで検索して見てくださいw

2/5 曲名間違えてました
 

(2,712文字)