第八話 奔放な自由にあこがれて・・・
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第八話 奔放な自由にあこがれて・・・
すべて桃香たちのさせてしまったが、それを彼女らはにこやかに「指揮官なんだから当たり前」と言ってくれた。
でも、姉上は、と言ったところで、苦い顔の三姉妹。
「王が最前線にいるって、どんなアホ話かって感じなのだ」
「さすがに、本陣が最前線では将も立つ瀬がありませぬ」
「あははは~、雪蓮さんの欲求不満解消で前線にたたれちゃ、国の重鎮たちが涙目だよねぇ」
実に同意だ。
心底同意だ。
この孫呉では当たり前になってしまっているけど、そのとおりではないか!
王が前線に出なければならないなんて、本来ありえんだろ!?
ああ、うれしいうれしい、私の常識をわかってくれる人間がいる!!
「桃香、仕官しろ、主に私の心の平穏のために!」
「えええええええ!?」
ああ、呉兵たちが賛同の声を上げてくれている。
私はこれを背に戦っているのだと感動していた。
賊の討伐に向かわせれば吸収してきたり、全滅させた来たり、山越狩りに向かわせれば、いつのまにか同盟を結んできたり、客将なのにやりたい放題の桃香。
助かるんだけどね。
さらに仕事のし過ぎで体をこわしていた冥琳の体調もよくなってきてるし、本当に言う事なし。
これで正式に仕官してくれれば最高なんだけど、無理は言いたくない。
妹、蓮華に戦いを教えてくれたこと。
妹、シャオレンに王族の仕事を教えてくれたこと。
本当に返せないほどの恩だ。
さらに出会いはお母様を助けてくれたという。
まったく、どうしろっていうのかしら。
「あ・・・・♪」
そうだそうだ、だったら話は簡単じゃない。
「ね、桃香。孫呉の婿にならない?」
「「「「ぶーーーーー!!」」」」
お茶の時間か、冥琳、朱里、雛里、桃香の四人から、見事なお茶の霧ができた。
「やーねー、汚いわよ?」
「雪蓮、おまえ、いきなり、なにを言い出す!!」
「いやー、ほら、桃香には返せない恩ばかりだから、いっそのこと孫呉に婿入りしてもらおうかなーとか」
「桃香は周家に婿入りすべきだろう!? 孫呉を支えるという意味では、そちらの方が現実的だ!」
「「「ぶーーーー!」」」
今度は劉備一味だけの霧。
「め、冥琳さん?」
「・・・隠していたことは知っていたがな、もっと夜の関わりを内密にしなければ、ばれぬはずがなかろう?」
ぼっと真っ赤になる朱里と雛里。
あー、うん、ごめん。
「一応、一般兵は知らんが、幹部は全員知っておるぞ?」
「・・・あー、うん、だったら、こう、まずいかな?」
「まずくないわよ? なにも中央みたいな目に遭わせるつもりもないし、秘密も守るわよ?」
「えー、っと、なんで?」
「当たり前でしょ、桃香は孫呉の恩人なんですもの」
だけど、と舌なめずりの雪蓮。
「・・・夜伽の仲間に入れてもらえるなら、そっちの方が嬉しいわねぇ?」
「ふむ、私もそちらには興味があるかな?」
やばい、と思った瞬間、朱里と雛里が私の前に躍り出た。
「雪蓮様、冥琳様、事は盟約組織「天河の歌姫姉妹同盟」に関わる事です、まずは盟約者となることが必須!」
「盟約者になるためには、審査を受けていただかなければなりません」
えーっと、それなに?
つうか、無茶苦茶かんでないよね?
「「桃香様にはおわかりにならなくてもよいことでしゅ」」
あー、そうですか、さいですかぁ・・・。
同盟審査会場には、なぜか孫呉の将のほとんどが現れた。
雪蓮様、蓮華様、明命殿、思春殿、穏殿、祭殿、冥琳殿、亞莎殿・・・・。
さすがに孫堅様はいらっしゃらなかったらしいけど、シャオ殿も来たがったとか。
まぁそれはさておいて、本気ですかね?
何しろ国の中枢ですよ?
同盟とはいわば桃香さまを盟主とした「国」なのに、呉の重鎮のほとんどが参加っていいんでしょうか?
私の疑問に、にっこりほほえむ雪蓮様。
「あら、そんなに疑問はないわよ、朱里? 桃香みたいな五体満足な、それでいて優秀な種が得られるなら、かなり無茶してでも許可がでるものよ」
・・・そういえばそうですね。
どっちにしても男子の精を入れなければならないなら、好ましい男子の方がいいというのは乙女の祈りですし。
私も雛里ちゃんも、桃香様の子供だったらうれしいし。
「少なくとも、ここの集まった呉将で桃香を嫌ってる人間はいないわ」
「うむ、というか、周家で独占したいぐらいだがな」
「めいりーーん」
「わかってる」
「わたしも~、独占はできなくても~、血は欲しいですぅ~」
わいわいと盛り上がる呉衆をみて、思わず頭痛。
なんというか、扱いが、ちょっと方針にあわないけど、それでも、一人の個人として扱ってくれているのだけはわかった。
「みなさんのお話はわかりました。一応、盟約に入っていただくには、桃香様を一人の個人としてみていただくという前提条件があるのですが、十分に合格のようですね」
なぜか同時に「びしっ」と親指を立てる呉のみなさん。
やっぱり息が合ってますね。
「というわけで、閨当番に組み込みよろしく!」
太陽のような笑顔の雪蓮さんばかりではなく、呉将のみなさんが顔を赤くしたまま頷いていました。
桃香様ごめんなさい。
また増えました。
夜のお仕事。
なんだか最近、この仕事が一番きつくなってきました。
みんなが私を好きだって言ってくれているのはうれしいんだけど、ほとんど種馬状態なのはどうかと思うわけで。
そこで、
「週一で休みを!」
と願ったところ、姉妹と呉将のみなさんが会議をし始めました。
どうやらすでに向こうは組織としてなりあっている模様です。
・・・いいけどね。
都の婆どものおもちゃに比べれば、愛ある生活だし。
でもね、毎日太陽が黄色い生活はちょっとどうかと思うのですよ、ええ。
亜鉛系食材ウマーって感じなのですよ。
医食同元って感じで。
「桃香様、週一は無理ですが、一周した後乱交を入れてくだされば、その後日お休みにできますよ?」
究極の選択キターーーー!
とはいえ、正直、乱交は危険です。
この世界の女性は同性交配に忌避感がない上に、順番待ちで絡み合ったりするので恐ろしいまでのテンションになるのです。
加えて、他人の交合をみてライバル心が燃え上がるものだから、もう、恐ろしいラッシュ。
一晩に何度も気絶するって、あたしゃ女の子ですかって感じで。
あの女性集団はおおよそ地位が横並びなので、ライバル争いが恐ろしいのですよ!!
くぅ、平穏な睦み合いか、波乱の後の休日か・・・。
いや、乱交の後に休みもらっても、一日動けないじゃん。
「乱交は無しの方向で」
「では、お休みもなしですか?」
「あんまり虐めると、逃げるよ?」
「逃がしませんよ?」
「「ふふふふふふふ」」
でぇーーーーい、桃香の花言葉は「奔放な自由」!
縛り付けるとはじけるからな!!
とか何とかいってたけど、それなりにみんな気を使ってくれているみたいで、黄色い太陽じゃない日も多くなった。
実に健康的で助かる。
つうか、いいのかなー、こんなただれた青春。
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