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タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))の感想・レビュー(215)
久々に再読。上下巻一気に読んでしまいたい本。下巻は結末に向かうにあたり伏線の回収が鮮やか。そして最後まで読むと上巻の冒頭を読み返したくなる。「あとがきがわりに」も好きで、これ読むと『クリス・クロス』をまた読みたくなるのよね。
二回読むと二回目はなお面白い。自分もラベンダーの匂いがするやつや猫を探すやつを読んだが、それらとはまた違う、新しい観点からの時間もので読んでいてワクワクする。パズルのように時間を飛んで穴を埋めていく仕掛けは面白い。
女子高生の時間跳躍SF。パズルを完成させていくような心地よさで読めました。ストーリー、友情、恋愛などの要素で上巻よりライトノベルらしさがアップしてる印象。それでも構成が巧妙で面白かったです。再読に耐えられる傑作。
1週間の穴が空いたところをランダムに(?)埋める記述と、各時点での翔香と和彦の情報の格差に関する表現が秀逸だと思った。そのため、最後まで読んだ後、もう一度上巻を読み返してしまった。小道具としては、やっぱり手紙の使い方が上手いと感じた。届くまでに時間がかかるところと、実は秘密の4通目があったところとか。あとは、最後(あがとき)内容が非常に気になったのだが…。
タイムリープものの基礎として読んでおきたくなる作品。「時間旅行に矛盾は付き物だ。」を念頭に置きつつ読むと一層楽しめる。上巻の半分で大筋の展開が読めてしまったが伏線の回収が巧みで見事だった。日記や手紙などの書いて残せる物がタイムリープする中で時の流れに逆らわないキーアイテムとして上手く機能している。このお話で面白いのは未来が決まっていて、それを変えようとせず時間が前後しようとその決定された未来に辻褄を合わせるように話が展開して行くところ。自分の人生も死という決定付けられた未来への辻褄合わせなのかもしれない。
伏線の張り方や構成は確かに凄い!名作と言われているのも頷ける。思わず鬼畜眼鏡グッジョブ、と。でもあまり心に残る話ではなかったのが残念。
★★★★☆ 本編は期待を裏切らない面白さ。この構成は本当に凄い。各登場人物がその「時」に何を知っていて何を知らないか、それによって生じる当惑、混乱などが考え抜かれている。勢いに乗り、本当に並べ替えて読み返してみたら、翔香に感情移入するのは難しくなったが、友人達の言動など色々、なるほどと思った。改めて最初へ戻ると、「腹が痛い」と言いながら笑う和彦に違った感慨を抱ける。 しかし最後のアレは何だ?(笑)
タイムトラベルものといえば伏線。なかなか面白かった。しかし登場人物の性格や文章がシンプル過ぎてあまり印象に残らない。暇つぶしにはなるものの、また読んでみたいとか、大事にとっておこうと思えるほどの作品ではなかった。
やっぱり何度読んでも面白い。読み進めるほどに、本文にある通りパズルのピースがはまっていく感覚は気持ちいい。あとがきを見るたびにクリス・クロスを読みたくて仕方なくなるのだけれど、一体どこで読めるかしら。映画版は偶然にも10年近く前に見ていたのだし、もっと早く読めば良かったとしきりに後悔……。
下巻を読んだら感想を書こう!と思っていたが,何を書くにもネタバレになりそうで,ネタばらしをするにはもったいないほど面白くてスピード感のあふれる作品なので,読後の感想が何も書けない(笑)テーマはいわゆるタイムスリップ。使い古されたSFやらラノベの典型だが,侮ることなかれ!ただ未来や過去に行くのではなく,現在と過去・未来を限られた法則性の中で行き来できることが,斬新で面白い。タイムトラベル要素に加え,学園,恋愛も絡んでくる物語はライトノベルの王道。何度も読みたい大好きな作品になった。オススメ!
勢いがついて、下巻は一気に読んでしまった。パズルのピースがどんどんハマっていくようで読んでいて楽しかった。ふと確認したい出来事が上巻に書いてあって確認できなかったりして、ちょっと欲求不満になったときもあったけど(苦笑)、楽しく読めた。最後に近づくにつれ、上巻の冒頭がとても理解できたしね。
タイムリープが発生するきっかけが意外にエグくて……よりも、実は全然「なぜ?」の解明になっていないところが(笑) あとがきがわりの部分は、これは一体?
青春SFの傑作。私的には「ラベンダーの匂いのする」某作品と並ぶ。必然性に欠けるかと思う部分もあるが、それも含めての青春ものです。それにしてもこの最後のオチは……。ミステリの黒い某ですね。(ローウェル嬢)
極めて精緻に組み上げられた時間SF。時間軸が迷走を繰り返す前半は事態の把握が難しいが、後半になって伏線が次々と繋がっていく快感は出色。スケールの大きい展開は望むべくもないが、タイムパラドックスの回避方法など本当に細かなところまで考え尽くされている。(稲)
10年ぶりくらいに再読。大分忘れてたけど、楽しく読めたのは同じ…でもどうせなら全部キレイに忘れて、始めて読んだときの「なるほど」という感覚を味わいたかったなぁ。
★★★★★ : しかし,考えてみれば高畑京一郎という作家は気の毒だ。何を書いても,この「日本SFオールタイムでもベスト10にはいるような傑作」と比べられてしまうのだから。
99年の作品らしいのですが、今読んでも十分良作と呼べるのではないでしょうか。展開は時代が時代ですからちょっとカビ臭いですが、それでも緻密な構成と巧みに張り巡らされた伏線が読者を飽きさせません。若松が完璧すぎますが、そこが逆に心地良かったです。