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第二話 流されてしまって・・・

トップページ > 神代ふみあき書庫 > 非赤松椎名系作品 > 歌う恋姫無双物語 > 第二話 流されてしまって・・・




 

本人の自覚無く、ガンガン原作干渉が始まっています。

つうか、華琳、結構好きなんですよ、私w
第二話 流されてしまって・・・

 そして月日は流れ・・




「あら、桃香。どうしたの?」

 最近、燃え尽き症候群の私です。
 二年の時をかけて洛陽と長安の文官と商人に算盤の布教をしていたんですが、いつの間にか文官仕事までやらされていて、気付けばこのこの町の筆頭文官をしているのです。

 町自体は元々村だったのですが、算盤普及の町として栄えてしまい、学術都市のような勢いになっていて、その功績もあって曹操さんこと、華琳さんが治める事になったのです。
 で、その部下として色々と武官は集まったのですが、文官はいまいちだったらしく、その仕事を代行しているうちに・・・

「桃香、文官の筆頭をなさい。最近、算盤塾も暇でしょ?」
「算盤終わったら、村に帰してくださいよぉ~!」
「あら、結構な仕送りが出来て、お母様もお喜びでしょ?」

 確かに、村の筵売りでは得られない収入ですけどね。
 でも、心の平穏が、精神的な安らぎが無いのです。

 なにしろ、曹操さんこと華琳さんってば、私が男であることを知っているのだから。



 男であることがばれたのは、この町が村だった頃。
 城壁もなく、策で囲われていた頃。

 風呂に乱入されて目撃されてしまったのだ。
 最初は驚愕されたけど、頭のいい華琳さんは、頭脳に優れた人物であるという評価に切り替えて、今までどおりの接し方をしてくれるんですけど・・・

「とりあえず、一度は村に帰りたいです」
「だったら、今の仕事を早く終えなさい。一時帰郷ぐらいは認めるわよ」
「というか、仕官もしていないのに文官筆頭はないでしょ?」
「皆認めてるわよ? 秋蘭も春蘭も、面倒な書類仕事を全部やってくれる逸材だ、絶対に逃がさないで下さいって、大絶賛だったわ」
「かえるーーーー、おうちにかえるーーーー!!」
「あら、弄りすぎたかしら?」



 とりあえず、里帰りは認められた。
 三日三晩徹夜で書類処理をしている姿があまりにも不憫だと秋蘭が進言してくれたらしい。大いに感謝、秋蘭愛してる。

 そんなわけで、曹操に、いや早々に旅支度をしていたら、曹操さんの従姉妹の曹子孝、いわゆる曹仁嬢が何故か現れた。
 なにゆえ? と首を捻ると、彼女曰く、

「そのまま逃亡されたら厄介だから、首輪役~」

 流石に包囲体制を引くつもりですね?
 くぅ・・・・

「まぁ、あたしも面倒なことはいやだから、山賊の襲撃で離れ離れになったって事にできるわよ?」
「え、ほんとうですかぁ!?」
「ただし・・・・」
「・・・・」

 わかってるわよね~、とにこやかに微笑む曹仁嬢。
 このひと、結構ガメツイのですよ。
 まぁ、そういうオプションがあると判っただけでもいいか、ということで、私は旅立ったのでした。








 あー、何が起こっているかわかりません。








 どこにも隠れるところが無いところで、大嵐に会いました。
 仕方なく曹仁嬢、華苑かえんと一緒に耐えていたんですが、風の勢いに負けてちりぢりに。
 気付いてみれば、私は小川の脇に倒れていました。
 打撲はありましたが骨折も傷も無しということで、どうにか安心。
 では、ということで華苑さんを探しましょうか、と見回すけれど、流石に見えず。
 半日ばかり探してみ見つかることは無かった。

 まぁ、村に向かっていけば会えるかもしれませんね、と気軽に考え、一歩踏み出してみて気付く。

「ここ、どこ?」

 そんなわけで、小川沿いの探査が始まったのでした。


 小川探査中、何かの音が聞こえた。

 なんじゃろべ、とそちらの方に向かうと、どうやら戦争らしい。
 十分人が殺せる武器を合わせている姿は慣れないけど、策動はあまり好きじゃなかった。
 だから、視界の端の崖の上で何かを準備している悪人顔の女達をどうにかしないとな、と思った。

 ここからがけの上のは無理。

 投げれば石でも届くかもしれないけど、届く程度の勢いでは無意味。
 むー、と考えたところで、自分の靴下を見て思いつく。

 スリングだ、と。

 そんなわけで、簡単なスリングを作って、投げる練習を二三回。
 何とか行きそうだ、と思ったところで、わーと勝どきが上がる。
 む、無意味か? と思ったが、そうでもなかったらしい。
 崖の上のやつらが、大きな岩を押し出そうと始めた。
 下には勝どきを上げる女武将と兵達。
 こりゃ、まずいね、どうも。

 そう思った瞬間に、私はスリングで投擲した。
 イメージどおりに岩は吹っ飛び、大岩を落とそうとした一人に直撃した。

「ぐわっ!」

 と、およそ女らしく無い声を上げて一人が倒れたのを感じて、女武将の兵達も気付いたらしく、その場からの撤退と弓矢による攻撃を始めた。
 雨のように降り注ぐ矢に射抜かれて、崖の上の賊は生命を止めたようだった。
 どうにか安心できる状況になったと胸をなでおろした所で、気配が漏れてしまった模様。

「ねぇ、そこの貴女、お礼を言わせて頂戴」

 女武将は、木陰に隠れている私を正確に見つめている。
 剣呑な気配は無かったので、ゆっくりと踏み出すと、なぜかいつの間にかその女性が目の前にいた。
 な、なにぃ、と驚いていると、すかさず大抱擁。

 抱擁なんて目じゃなくて、大抱擁。
 何が大かと言えば「胸」。

 巨大すぎておぼれる~

 思わず反応しそうになる「自分」を押さえ込んで、どうにか解放してもらうけれど、お礼をさせろと仰る「孫」の御当主様「孫堅」は、私を建業まで連行しようとしたので、どうにか断って村までの方向を聞くことに成功した。

 結構飛ばされたなぁ、とはいえ誤差は三日ほど。
 ならいいか、ということで、野営の準備に入った呉軍に紛れ込むことにした。

 御当主の命の恩人ということで、かなり歓迎してもらったのを喜んでしまい、一曲披露した。
 酔っ払っていたせいで、前の記憶が鮮明になって、結構派手に謳ってしまう。

 「上を向いて歩こう」
 「翼をください」
 「異邦人」

 向こうでは学校の音楽の時間に謳われるような、そんな歌。
 でも、こちらでは有り得ないほど異質なせいか、みんなに絶句されてしまった。
 こりゃ、引かれたかな? と思っていたら、万雷の拍手が渦巻いた。

「凄いじゃない、とても良い声と歌詞よ! 聞いた事の無い節回しだけど全然不快じゃない、寧ろ大絶賛!!」

 孫堅殿の絶賛は嬉しいのだけれども、あまり浮かれられると困る。というか、視線が恐い。
 ぜったい「この子を建業に連れて帰る!」って目が語ってるし。

「これ、つかえるか!?」

 投げてよこされたのは月琴。
 これを使ったことは無かったけど、三味線っぽく使えばいいかな?
 ということで、爪先をピック代わりにポロンとひいてみる。
 イメージどおりの音じゃないけど、自己流に届く範囲だ。
 なら、ちょっと試して見る。

 歌謡曲が通じるなら、ポップはどうかな、と。

 アコースティックギターっぽく爪弾いて、いけるかなーと思ったところで声を当てる。

 歌詞は 「恋人同士/樹海」。

 女神でお助けなアレのエンディング。
 英語表現は適当に言い換えて、謡って見ると、どうやらかなり受け入れられているのが感じられた。
 年配の人たちには歌謡曲がいいのかもしれないけど。

 で、孫堅殿はこちらの歌もいいらしく、涙を流している。
 副官と思しき女性も涙。
 何かを思い出しているんだと思う。

 一礼で曲の終わりを示すと、再び巻き上がる歓声。
 握手を求める兵達、人々・・・・。
 あれ、人々?

「気付かなかったのか? 近くの村からお前の歌に誘われてきてるのじゃぞ?」

 副官なひと、黄蓋殿は涙を拭いながら微笑む。
 あー、この人も美人で胸大きいなぁ。

「・・・あ、あの、私たちに歌を教えてください!」
「私たちも、貴女みたいに歌で人々を感動させたいんです!!」
「・・・・おねがいします」

 長女は私と同じぐらいの年頃、次女三女を抱える三姉妹といったところらしい。
 教えるとか教えないとか師匠だナンだと言い出したので、ここは一つ煙に巻くことにした。

「歌って言うのはね、歌いたいときに歌う、それが歌ってモノだよ」By 熱気バサラ風

 凄く感動したらしい三人は、暫く一緒に旅をさせて欲しいと言い出した。
 とはいえ私も村に帰る途中だし、というと、それでも付いてくる断られても離れないと頑迷な姿勢。

「いいじゃない、一緒に旅すれば。」

 うちに来れば、楽師として雇うわよ~ といってくれた孫堅殿は、救命のお礼と歌のお礼として結構な額のお金をくれる。

「ま、本当は連れて行きたいけど、里帰り中なら仕方ないか。でも、仕官したくなったら呉にきてね。絶対に優遇するから」

 そんな言葉と共に、呉軍と別れた私と3姉妹、張姉妹は、うちの名も無い村を目指して旅を始めた。

てな、曲名だけでもイメージしてもらえれば幸いですw
実は、某SSを読んでいるとき、UBWのシーンになった瞬間に、耳元のBGMが「エミヤ」になって、そのリンクっぷりに感動した私は、歌詞を書く必要もないかもしれないとそのとき感じたのでしたw

まぁ、なんというか、続きますw
 

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