先日早稲田祭にて「ジサツノオワリ」というイベントに参加してきました。ライフリンクの清水さん、「自殺者1万人を救う戦い」のレネさん、学生で研究者の坂牛さんとのパネルディスカッションでした。
自殺はテクノロジーで予防できる
当日はすばらしいパネラーを招いたので、ぼくはあまり話さずモデレートに徹しておりました(自殺問題の専門家でもないですしね)。ただ、このテーマに関して話足りなかったことがあるので、ブログで書いておきます。
何を言い残したか、それは「テクノロジーと自殺予防」というテーマについてです。多分、日本ではまだあまり語られていない文脈です。
国内外ではすでにいくつか取り組みが始まっており、たとえばフェイスブックには「自殺をほのめかす書き込みを見つけたら、すぐに通報してください」という呼びかけ、機能が用意されています。
また、イギリスではネットいじめに遭っている子ども向けに「パニックボタン」も用意されました(Facebook Offers Child Safety ‘Panic Button’ in UK)。
国内では希死念慮に苦しむ人向けの「生きテク」というサイトもあります。このサイトを見て自殺をやめた人は、20100人に及んでいるそうです。
面白いところでは、ジロウ・イトウさんが検索エンジン広告を用いて、アウトリーチ(インバウンド?)で自殺志願者を見つけ、ケアを提供していくという取り組みを行っています。これ、すばらしい実践ですね。
本活動の相談者獲得単価(CPA)は250円であり、成果と照らし合わせても自殺対策における費用対効果は高いと判断し、活動を継続していく。
第一期夜回り2.0(インターネット・ゲートキーパー)の具体的成果 : 「失われた85万年」―スマホで若者のジサツを減らす―
ツイッターを「希死念慮」で検索すれば、ケアが必要だと思われる人を見つけることができます(なぜか上手くウィジェットが貼り付けられないので、リンク先をクリックして確認してみてください)。
Mail Onlineの記事ではソーシャルメディアプラットフォームが、自殺リスクの高い個人を発見することに役立つのではないか、と提言されています。実際、カナダでは自殺をほのめかしたユーザーを、フォロワーが励まし、自殺を防止させた例があるそうで。
他にも、
・自殺につながるツイートや書き込みを分析して、高リスクなユーザーは自動的に警察・友人・家族に報告する
・自殺と関連する商品を購入したユーザーに、特別なURLを提供する
・スマホの顔認識機能などを使い、抑うつ傾向が判別できた場合にサポートを提供する
などなど、実はさまざまなアプローチで、「テクノロジーを活用した自殺予防」の道は拓けているようにも思えます。自殺問題はともするとタブー視されてしまったりするので、なんとか効果的な実践を増やしていきたいですね。
みなさんも良い取り組みをご存知であれば、または「こんな対策ができるんじゃない?」というアイデアがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。